サイドショウをソロプレイする

抄訳完成記念(?)です。
2ターンほどやってみました。
折角ですからゲームシステムを少し紹介しましょう。
広いマップに少ないスタックが展開します。で、スタックごとにアクションポイントを消費してアクションを実施します。基本は、移動アクション、戦闘アクションです。この2つが別なのがポイントの1つ。移動アクションで隣接へクスまで行ってアクション終了。別アクションで戦闘します。
アクションポイントの量が不定長なのがTCTシステムの大きな特徴。アクションフェイズの最初の自分のアクション開始時に1dr分のアクションポイントを受け取れます。で、これだけでは不足するので追加アクションポイントをもらうために振るのが、ターン継続表(TCT)です。1回に得られるのは1〜3ポイントで、出目が悪いと強制終了させられてしまいます。アクションはポイントが許す範囲で好きなだけやって、止めて手を渡せます。相手が止めれば順番が戻ってきます。ですから、1アクションフェイズの間に両者が交互に様々なアクションを展開するので、1ターンの間にチェスのような「そうくるなら、こうする」的な駆け引きが発生します。これが独特で面白い。しかし、強制終了させられてしまうと、後は相手が一方的に好きなようにやるのでリスクが高い。そうならないように対応するためのポイントを残して手を渡したいのですが、もらえるポイントが限られているので思うようには行きません。
あとドイツ軍のみ相手のアクション中に戦闘前撤退ができて、これにアクションポイントを使用できます。ですので、予備ポイントを抱えているドイツ軍は捕捉しにくくなっています。
TCTには総司令官の指揮能力修正が加わるのですが、ドイツのフォン・レットウ・フォルベックが非常に優秀なので全般的にドイツがアクション数で優位にあります。イギリス軍はインド植民地軍などを投入して人的資源で優位ですが、烏合の衆に近い部分も。
この質のドイツ軍と量のイギリス軍のコントラストが面白い。で、量のイギリス軍が攻撃義務を負っているのですが、アクション数が足りない上に上述のドイツの捕捉しにくさもあって、なかなかどうしてドイツに色々と立ち回られてしまいます。この辺のドイツ軍の活躍ぶりが本ゲームの見せ場です。
戦闘はファイアーパワー方式で、両者が自分の戦力コラムで判定して相手への損害を求めます。この時に、またしてもドイツの前線指揮官の修正があって、連合軍のダイスにマイナス、ドイツのダイスにプラスします。ですので、額面戦力ではイギリスは圧倒的なのですが、存外、良い勝負になってしまい、容易にドイツ軍を駆逐しきれません。で、ドイツ軍が生き残ってしまうと、アクションポイントの余力があるので色々とゲリラ的に立ち回る訳です。
移動システムも独特で、移動コストではなく消耗負荷で地形をカウントしていき累積値で消耗チェックします。消耗する覚悟を決めれば、かなり大距離を移動可能な訳です。逆に消耗を嫌う小戦力ユニットは、移動距離を小さく取って移動アクションを何回も繰り返すことになります。アクションポイントに余裕があるドイツにはこれができるのですが、イギリスはアクションポイントがないので、擦り減りながら力押しで突破する路線になります。
この辺り、独特のゲームシステムに対して、体質の異なる両軍がそれぞれの対処法で戦っていく所が本作の面白みです。
ただ、不定長のターンなので、時間が掛かるのが弱点です。また、ガンズオブアスカリと異なって短期シナリオがなく、キャンペーンしかないのが、この問題に輪を掛けています。