×天空を求める者を読む

bqsfgame2018-03-16

図書館です。草上仁の長編です。
単行本で出版され、二段組みで500ページ近いと言う大作。
草上さんはアイデア短編作家の印象が強いが、どうしたものか長編を書くと妙に長いものになるようだ。
ファンタジーの趣きで始まって、宇宙に飛び出すSFになる。と書くと、山田正紀の「宝石泥棒」みたいと思うし、実際、テイスト的に近いものがある。
ただし、本作はソラノウマと、カイヌースという2種の大型飛翔生物の生態に依存したアイデアストーリーだ。その点では、草上短編のいつものテイストも持っていて、それを10倍くらいに書き延ばしたような希釈感もある。その意味では、長編としての読みごたえは今一つだろうか。
再読することはなかろうかという意味で、×を付けた。期待値が高すぎたので残念な感じだが、読みにくいとか破綻していると言うことではない。