テラフォーミングマーズをソロプレイする1

bqsfgame2018-04-07

ルールを読んで、ともかくセットアップ情報に従って並べて3人想定で始めてみました。
複雑系開発マネージメントゲームです。
プレイ感としては、CO2とアグリコラを足して二で割ったような感じです。
大きな方向性として、3つの条件を満たして火星をテラフォーミングします。気温上昇、酸素濃度上昇、海の形成です。この3つが達成されるとゲームは終了し、スコアリング判定により勝者を決めます。
その範疇に置いては多人数協力ゲームですが、CO2のように不協力で破綻して全員敗者になったりはしません。その意味では、割と前を向いた開発ゲームです。
プレイの中心となるのは、アクションフェイズです。アクションフェイズに実行できるのは、カードなしで誰でもいつでも何回でも実行できるスタンダードプロジェクト、そして配られたカードを購入した上で実行するプロジェクトカードになります。
膨大な量のプロジェクトカードが用意されていて、時期さえ得ればプロジェクトカードはスタンダードプロジェクトより強いので、プロジェクトカードがプレイの中心です。
プロジェクトカードには、一回限りの大事件を表すイベントカード、一回限りですがプレイヤー企業の基本的な能力を拡充するオートメイテッドカード、実行すると以後1ターンに一回特定のアクションが実行できるようになるアクティブカードがあります。
プレイヤーの企業の能力ですが、生産性と在庫を管理するようになっており、資金、鉄、チタン、植物、エネルギー、熱が標準で与えられています。これに加えて、プロジェクトの実行で新たに入手できる資源として、微生物、動物などもあります。
世の中いつの時代も金の切れ目がなんとやらです。資金の収入は、プレイヤーのテラフォーミング評価を基礎点として、これにプロジェクトによる修整を累積して行きます。そのテラフォーミングの基礎点は、20点からスタートして前述の気温、酸素、海域の上昇、増加に貢献する都度、加点されていきます。この収入を毎ターン(本ゲームでは毎世代)受取り、それを使用していきます。
その他の資源も同様ですが、初心者モードでは全ての資源は収入1からスタートします。
プロジェクトカードには、資源(主として資金)で支払うコスト、実行するために必要な前提条件があり、そして発動する効果が記載されています。前提条件の多くは、気温や酸素濃度ですが、中にはタグと呼ばれるものがあります。これは、プロジェクトカードに付いているアイコンです。既に実行したプロジェクトカードに、所定のアイコンが要求数だけ存在していなければならないというもので、その分野での企業の経験値に当ります。目立つのは、サイエンスアイコンです。科学技術を磨かないと実行できない先端技術プロジェクトが少なからずあるのです。
鉄は、施設建設に用いられ、いわゆる箱物プロジェクトに使用します。チタンは、宇宙航行関連に用いられ、特に小惑星や外惑星との交易に使用します。植物は、8ポイントを蓄えて使用すると、緑地タイルを1枚配置でき、これはVP1点になります。エネルギーは、多くのプロジェクトで必要になりますが、毎ターン自動発生して、使い残すと廃熱になってしまい蓄積できません。この蓄積できないと言う性質がエネルギーの大きな特徴です。熱は、気温上昇のために利用できるので、地球での廃熱と違って意味があり意図的に作るべき資源です。とは言え、エネルギー廃熱も発生してくるので、相対的に価値は低くなっています。
一つ例を取って説明しましょう。
鉄工所は、資金を支払って建設します。建設すると、毎ターン実行できる製造アクションが得られます。このアクションでは、エネルギーを5単位投入すると、鉄が得られ、酸素が発生します。つまり、酸化鉄を還元して鉄を製錬しているのです。この酸素が得られると言うのは、本ゲームでは基本収入増加、そして最終の得点に寄与するので非常に価値があります。ただ、前述した通りエネルギーは蓄積が利かないので、ターンごとのエネルギー生産を5単位以上確保しなければ稼働できません。ですので、一番最初に建てても役に立ちません。
この例に見るように、プロジェクトカードには、それが有効に働く時期があります。時期が早すぎるものは、役に立ちませんし、遅すぎるものは実行できなくなるものもあります。そこまで制限されていなくても、限られた資金を効率よく運用するためには、どういう順序でどんなプロジェクトを実行するかが重要です。それを、その時点で限られた手札の中で模索しつつ意思決定するのが本作の醍醐味です。
膨大な小カードを把握して、どう言う順序で運用するかを考える所がアグリコラ風です。その一方で、各自の箱庭を運営するアグリコラに対して、全員で一つの火星を運営している所がCO2風という感じでしょうか。
ワーカープレイスメントのような単純で強烈な相互作用は感じませんでした。しかし、得点源を気温、酸素、水圏のいずれに求めるかでバッティングすると、どれも目標値までで頭打ちになるので痛い感じです。
また、ゲームのテーマからすると意外ですが、(カタンの開拓のような)プレイヤー間で資源のやりとりはできません。
後、通常の得点体系とは別に、マイルストーンとアワードと言うのがあります。マイルストーンは、名前の通りで最初に達成した人だけもらえる小目標。アワードは、ゲーム終了時に1位と2位にボーナスを与えるテーマです。アワードは、資金を投入して設定できるのですが、先着3テーマまで。自分が狙えそうなものを早めに設定したいですが、序盤の資金がタイトで、見通しがまだ不透明な時期にどう設定するか。