S&T258号です。
台風24号のせいで家に閉じ込められたため、急遽、読んでやってみました。
デザイナーは、「本質の表現者」ロン・ベルです(苦笑)。
米西戦争のサンチャゴ上陸作戦のゲームです。1ヘクス800mですから、砲兵には4ヘクスの射程があり、戦術級ゲームです。
セオドア・ルーズベルトが参加していたことで有名だそうですが、日本では関係ない話しでしょうか。
移動、戦闘系の普通のゲームに、砲兵射撃がある程度。
その前にまず上陸作戦があります。上陸地点が5カ所あり、そのどこに上陸するかはダイスで決まります。目標はサンチャゴ市街制圧ですが、上陸地点によってサンチャゴまでの距離が2倍以上違いますから、なんとブレの大きいセットアップかと驚きます。
それ以外にも、米軍の友軍であるキューバ反乱部隊のセットアップ数もダイスで決まります。しかも、このユニットの戦力が「?」になっているのですが、戦闘の都度ダイスを振って、出目マイナス1の戦力だと言うから当てにならないこと夥しい。で、1の目が出ると0になるので、その時点で全滅。
そんな雑な話しでもなんとかなるのは、兵力が圧倒的に米軍有利だからで、いかに損害を出さずにサンチャゴを制圧するかにケアすれば良いのです。
およそ作戦研究のしようがない代物ですが、プレイすると、それはそれでつまらなくはありません。英語版コマンドの「コルテス」をどこか彷彿させますが、こちらの方がテイストとしては良い感じです。
しかし、これのどこが「本質の表現」なのかは説明が付かない感じです(苦笑)。
ちなみに、ロン・ベルは、この後は作品がないようです。これが2009年ですから、セミリタイアと言って良いでしょうか。「モンスの戦い」と本作の出来栄えから見て、仕事をもらえなくなったのかなという気もします。もともと専業デザイナーではないのでしょう。また、スペイン語圏の戦いについては、ロメロが出てきましたしね。