戦闘機:第二部、空軍大将ヒュー・ダウディングを読む(感想)

「オールクリア」で勝利後のロンドンで群衆が\(^o^)/する対象の一人としても登場するダウディング。

本書を読んで、彼が「イギリスを守るために必要なこと」という視点で一貫して考えていたことが判ります。

そして、そのボトルネックが飛行機の機数ではなくパイロットであり、さらにはパイロット教官であると見抜いていたことが語られます。その教官足り得るベテランパイロットを、もはや助からない瀕死のフランスに派遣して失うなど彼には許容できなかったのでしょう。

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この過程では、近年もてはやされているチャーチルは、瀕死のフランスに外交的に気を使って愚策のフランス支援を実施する愚か者として描かれます。バトルオブブリテンの間一髪の危機を作り出したのは、ルフトヴァッフエではなく、チャーチルの愚策だったということになります。

特にルールへの反抗爆撃は最悪の選択であったとの指摘がイギリス内部からもあるということは、きちんと語られるべきと思いました。

デーニッツが通商破壊戦の本質は単純な引算であると看破したように、ダウディングも英国防空は単純な算術の問題として議論しようとしたようです。しかし、チャーチルは、この単純な算術を理解できなかった(しようとしなかった)ということです。