行くぞ!最果て!秘境×鉄道「ミャンマー篇」を見る

秘境鉄道シリーズの一作として、ミヤンマーが登場しました。

ミヤンマーの紀行ドキュメンタリーと言うと、開国して間もない頃に鶴田真由が旅人・兼・ナレーションでやったものが記憶に残っています。それまで鎖国状態で知ることの出来なかったミヤンマーの生の姿が見られただけで感動したものです。

今回は秘境鉄道ですので、主役は鉄道です。

言われてみてナルホドと思ったのですが、ビルマはイギリスの植民地でした。その視点で見ると、インドの先にある最果ての植民地になります。

インドが鉄道王国であることは比較的知られていることで、そのインドでの鉄道建設経験者を連れていってミヤンマーの難航する山岳鉄道工事をさせていたのだそうです。

その時代に作られた山岳鉄道だけあって、

岩山を発破と手採掘で切り通した単線鉄道です。もちろん電化されていません。

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旅客、貨物混交で、電化されていないので、転轍機は手動操作。驚くのは、そこそこ都会の踏切も鉄道会社職員が手動で開閉しています。

山岳地帯は、古式ゆかしい(?)スイッチバックとループで登っていきます。

ちゃんとしたホーム設備のない駅もあり、場所によっては駅とは思えない所で止まって乗降することも。昭和初期の乗合自動車か?

ミヤンマーの佇まいに目を移すと、実はミヤンマーが多民族多言語多宗教の国であることに驚きます。人口の70%を占めるビルマ民族の話すビルマ語が共通言語ですが、山岳地帯に入って行くとビルマ語を話せない少数民族とも頻繁に出会います。

ビルマ民族は小乗仏教ですが、インドから鉄道工事で入って住み着いた人々はヒンズー教、これとは別にイスラム教徒もいます。

小乗仏教の国はどこも信仰に篤く戒律がしっかりしている印象を受けますが、ミヤンマーも例外ではありません。そのため、困っている人に親切にすることは功徳を成すことになるので、みな積極的に親切です。

電気もガスも水道もない山岳地帯では、少数民族のゲリラなども活動しているようで、今回の鉄道も治安の問題で途中終了でした。それでも、その暮らしぶりは貧しくも不安そうにも見えず、文明や文化とは何なのだろうかという大きな命題を考えさせられます。