☆一万両の長屋を読む

図書館です。大富豪同心の3冊目。

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5年前に江戸で大暴れして推定一万両を稼ぎだしたと言われる夜霧の治郎兵衛一家。

その一万両を埋めた上に建った貧乏長屋の雇われ大家として金を守るむささびの太吉。

その太吉に分け前が早く欲しいと脅す蛇の平三。この二人の殺人事件から始まります。折しも治郎兵衛一家が大阪から戻ってきたとの報告が。で、本隊は一家を、八巻は殺人事件を追うことに。

で、最後には両者はドッキングします。

構造的には前の「天狗小僧」と同じなのですが、本巻の方が軽快に楽しく読むことができます。

特に夜霧一家側からの描写が多く、同じ出来事が一家からと八巻からでどう見えているかのスレ違いが面白い。

と言うことで本シリーズで初めて☆を付けました。

例によって江戸のいろいろな事情が織り込まれていて、奉行所の諜報網に茶屋や遊郭が組み込まれていたことや、西から江戸に入る高輪の大木戸には戸がなかった話など面白く読みました。

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ちなみに大木戸には戸があって、明け六つと暮れ六つには開閉していたとウィキペディアにはありますが?

さらに、山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」のゲートは、この大門のことを指していると思われます。