×火星へを読む

レディアストロノートシリーズの長編第2作です。

迷いましたが×にしました。

なんと言っても主人公に全然感情移入できません

ちむどんどんの暢子よりひどい(苦笑)

p116

ヘレンはね、押しだされたのよ。あなたを入れるスペースをあけるために

(なん‥です‥‥って)

当初は火星第一次探検隊に入っていなかったエルマ。予算獲得のためレディアストロノートとして人気がある自分を火星探検隊に入れようという上層部の意見を受け入れて参加することに。

その時に、それがどういうことなのか優秀な宇宙飛行士である彼女に判らないはずがないのに、言われるまで思いつきもしません。このセンスがどうかしています。

p130

「わたしが予算獲得に必要不可欠の人間と言うなら、それを逆手に取りましょう。あなたが行かなければわたしも行かない」

なんと短絡的な小学生並みの発想でしょうか。

ヘレンは言います。

「チームのメンバーをこれ以上増やせるわけがないでしょう?必要なリソースも、その分の重量も増えるんだから」

「でも-」

いいかけて、口にするのは思いとどまった。方法はある。でも-。

ほかのだれかに交代してもらったら可能だというのね?気持ちはありがたいけれど、答えはノーよ。ミッションからだれかを押しだす側にはまわりたくないわ。そうなったら、チームで憎まれるメンバーがふたりに増えるだけ」

ヘレンの方がずっと問題を真剣に考えていて結論を明確にしています。そのヘレンを押しだして自分が火星に行くという主人公はどうかしています。

この段階で主人公の好感度は日本海溝より深い所まで下がってしまい、以後、どれだけページをめくっても本書に好印象を持つことはできませんでした。

ちなみにシリーズの長編第3作は、第2作と同じ時系列に地球で何が起こっていたかの物語で、エルマではなくニコールが主人公だそうです。そうですか、それなら読んでみても良いかなと微かに思いました。

終りまで読むと、さすがに火星着陸の瞬間には多少の感動が生まれます。

にしてもなぁ‥という感じです。

主人公が無神経で頓珍漢で次々に事件を起こすから上下二分冊の大作がエピソードで埋まるという手法論としての正当性はあります。

しかし、「クロストーク」のブリディや「ちむどんどん」の暢子と同じように、どうにも読んでいて楽しくなくイライラさせられるのは否定できません。

その意味で、再読することはないだろうと×にしました。