○スペースマシンを読む

プリースト再読シリーズ、第3弾。

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個人的には、最初に読んだプリーストです。引越しの関係で蔵書を発送してしまい、読むものがなくなって書店で未知の作家をミズテンで買った記憶があります。

読んでみたら、これが意外なほどに面白かった。

ただ、遠い過去の記憶は、多少、美化されていたようで、今回はそれほどに感動しませんでした。

初めて読んだ時には、「タイムマシン」のオマージュだとは思っていたものの、「宇宙戦争」のオマージュになっているとは思わず、そのことに気付いた時に唖然とした記憶があります。再読では、そういう驚嘆は得られないので、その分だけ評価が下がりました。

時間も空間も移動できるマシンを発明、それに試乗させてもらった主人公。最初に10年後の未来へ移動すると、そこで憧れの美人秘書が熱線に倒れる場面を目撃し動転します。動転して操縦稈を折ってしまった彼は、その美人秘書と火星へ辿り着いてしまいます。

そこでは、自分たちが開発した超生物である多触手怪物に支配されてしまった火星人たちが、地球侵略の準備と、秘かな革命の準備をしています。

やがて、地球侵略の第一波が発射されることになり、主人公たちはそれに密航して地球へ。

そして、有名な「宇宙戦争」を火星側からの視点で見ることになります。

このアイデアが本作の中心部分なので、再読に向かないのでした。プリーストは、近年はスリップストリームの旗手ですが、思えば本作くらいの時代にはアイデア比重が高かったのだと再認識しました。「伝授者」も「逆転世界」も、言われてみると小説としての読み応えだけでは成り立っていない気がします。

「逆転世界」も読みたいのですが、積読本が増えてきたので再読は小休止の予定です。