恐怖の報酬を見る

WOWOWです。

クルーゾー監督特集の第3作目。自分の録画視聴として4本目です。

妻と二人で深夜に見ましたが、これは息をも吐かせぬサスペンス巨編でした。今回見た一連の4本の中では、これが一番おもしろかったです。

イヴ・モンタンが主役。

南米のとある国(ヴェネズエラだそうですから、「西インド諸島作戦」のマラカイボ油田と思われますが、そこは重要ではありません)にフランスから流れてきて食い詰めている者たちがたむろしている酒場。そこに羽振りの良いジョーという男が新たに加わり、マリオ(モンタン)は昔はパリに住んでいた同士で友達になります。

折から500km先の油田で火災が発生し、酒場の近くにあるサザンオイルは、これを爆風で吹き消すべくニトログリセリンを現地へ輸送しようとします。一触即発の荷物を積んで炎天下の悪路を走る命がけのミッションに、使い捨ての利く食い詰めた移民を募集します。

選抜に通ったマリオとジョー、ルイージとビンバの4人が2台のトラックに分かれてニトロを運びます。

ナマコ板のような悪路、崩壊寸前の足場を使った急転回、落石による通行不能などが次々と前途を阻みます。落石の巨大岩石を荷物のニトロを小分けして発破で爆砕して通過する辺りは本当に心臓に悪いです。

目的地近くまで来てパイプラインが破損して原油の沼になっている場所では、原油まみれになって強行突破しますが、この時にジョーは誤ってトラックに足を挽かれてしまいます。

なんとか突破して進みますが、先行するビンバたちのトラックは振動により爆散霧消してしまいます。

ジョーはなんとか辿り着きますが傷が原因で到着時には息を引き取ってしまいます。

マリオは二人分の報酬を受け取って意気揚々とトラックを蛇行運転して引き上げますが、途中の崖で転落して死亡してしまい、そこで終劇となります。

面白かったです。

結末はちょっと悲惨すぎる気もします。これだけ頑張ったのだから生き残るメンバーがいても良かったのではと思います。

酒場の娘でマリオの彼女らしいのが、監督の奥さんのヴェラ・クルーゾーです。ここでも登場、またも幸せにはなれない役どころでした。