引き続き大富豪同心です。
実は図書館から2冊まとめて借りてありました。こんなことだと知っていた訳ではないのですが。
久々登場のお峰ですが、
p72
お峰は梯子階段を使って二階に上がった。二階には広い板敷きの部屋が広がっていた。板の間には筵が広げられ、その上に桑の葉が撒かれ、真っ白な虫-蚕が飼育されていた。
おー、「青天を衝く」かと思いましたよ。
なんと農村の口減らしで売られる娘たちを助け集めて女工場を作り、自立できるようにしてやろうというのです。八巻を誘き出すための策としていますが、自身も売りに出されたお峰の世間に対する復讐でもあるのです。
かくて、お峰の大野望は上州に新たな世界を作らんとします。
これまで大規模な陰謀と言えば江戸に火をかけるパターンだったのですが、なんと関八州を水害に沈めるという異常水害を利用した陰謀も。
かくて前の巻の冒頭に登場した利根川の偉容の意味も。
実際に烏川の堰が切れてしまう事態にも至り大変なことに。
それでも最後には徳右衛門の奇策、三国屋の炊き出し作戦がお神代様の勢力を殺ぐのに成功し、堰を守り切ることはできずとも悪役の陰謀を阻止するのに成功します。
シリーズ屈指の壮大なスケールという惹句に嘘はありません。
お代は見てのお帰りとは行きませんがシリーズがお好きなら前巻と共に必読!