☆御前試合を読む(ネタバレ注意)

図書館です。

大富豪同心の4冊目です。

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これも快心の出来栄えで3冊目に続いて☆評価としました。

冒頭は剣術道場に押し込みが入って、家宝、豊後行平が盗まれます。

この道場主、溝口左門の一人娘が美鈴です。

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左門は切腹しようかと娘に介錯を頼む所まで行きますが、出火の次第を確認に来た卯之吉の間の悪い訪問で延期します。卯之吉は話しを聞いてなんとかしてやろうと思うのですが、名刀、豊後行平はそもそも出物がなく金だけでは解決できません。

そこで三国屋のお爺様に相談すると、なんと三国屋が金を貸している大名家から担保にとってある豊後行平が蔵にあるから貸してくれるということに。

かくて、大名家の一年分の可処分所得に相当する値打ち物の名刀が2本登場します。

一本は盗まれ、もう一本は借金の担保に質入れし、いずれも本人の手元にありません。

左門は武術指南役の声が掛かりますが、そのためには御前試合に勝利した上で豊後行平を披露することが必要となります。かくて、豊後行平がどうしても要るので節を曲げて卯之吉から貸してもらうことに。

さて、御前試合の相手は現職の指南役の加治川七郎なのですが、実は彼は左門の方が腕が上と見込んでおり、それでも左門を阻止するべく豊後行平を昔の仲間の悪党に頼んで盗み出してもらったのです。

かくて御前試合の当日となりますが、左門はさすがの腕前で加治川を倒します。

ところが、此処から話しは混乱して行きます。丸山のお殿様は見せてもらった豊後行平を一日だけで良いから貸してくれと言いだすのです。実は丸山家の行平は彼の家康公から下賜されたもので、この度、ご公儀に見せなければならないのに、実は質入れしてしまってないのだと言います。借りた相手の三国屋は悪徳商人(丸山の主観による)で、とても返してはくれません。

そうは言っても左門の行平も借り物で即日返却せねばならぬもの、そこで卯之吉は二本の行平について祖父と相談して解決します。

丸山家には利息分を免除することにして実現可能な返済計画を了承させて行平を返したことにします。

一方、加治川ですが卯之吉を逆恨みして襲う計画を立てます。

卯之吉の一の手下を自称する三右エ門が、この計画を感知し、迎え撃つことに。そして、この一味を撃退してもう一本の行平を獲り返します。

卯之吉の人物の大きさに惚れこんでしまった美鈴は、三右エ門の話しを聞いて卯之吉救出に参加します。男勝りの鬼娘と呼ばれる美鈴は、見事に一味を撃退して手柄は卯之吉に譲ります。そして、押し掛け女房よろしく卯之吉の屋敷にやってくることになりました。

かくて卯之吉の手柄はどんどん増えていき、今や江戸で南町奉行所の八巻卯之吉を知らぬものはないほどに‥(^o^)