7月のNHK杯囲碁トーナメント

 第1週は、前週と合わせて大阪二本撮りだったと思しき村川先生。

 まぁ、いつも通りでした。

 第2週は、7年ぶり登場の彦坂直人先生。名古屋の解説にと書きましたが、まだ出場者として出られるのであればそれに越したことはありません。出場は30回目ということで、張栩九段の23回を大いに上回っており、強い時期が長かったことを証明しています。また対戦成績が張栩側から見て5勝4敗だそうで、張九段が強くなった頃には彦坂先生が衰えて東京と名古屋なので勝ち上がらないと当れないので当らなくなってしまい、彦坂先生が強かったころの貯金が残っているのかと思いました。

 名古屋では羽根先生に続く七大タイトル保持者となった実績の人なのだということを改めて感じさせられました。秀行道場の強豪の一人でもありました。

 解説は柳時薫先生で、冒頭、今年から囲碁コーナーのオープニング音楽が変わったことに触れて自分でもピアノで弾かれているという話しをされて驚きました。柳先生は母国ではきっとスーパーエリートで何でも勉強させてもらえて、何でも一流の芸だったのですね。解説の方はいつもほど明晰度が高くなく、ちょっとだけ残念でした。

 第3週は平田智也君が対局者として登場。解説者としての活躍ぶりから、既に常連かと思いきや、なんと6年ぶりで2回目の登場と聞いて絶句しました。解説の三村九段も同じような認識だったようです。その相手が、なんと48才の初出場の河野光樹八段。ただ、高齢初出場記録としては14番目だそうで全然たいしたことないのです。1位は鯛中新先生だそうで、72才だったそうです。NHK杯が新棋戦としてできた時に既にヴェテランだった人が出ると高齢初出場になる訳で、そういう人が上の方にズラリと並んでいるのでしょうね。

平田君が左上の大劫の仕掛けで地を稼ぎ、薄くなった右辺の捌きでも中央に踏み込んで行って大差の勝利となりました。NHK杯初勝利おめでとうございます! 2回戦は志田達也君だそうで、本人は早くも半目勝負を予想していました。

 7月の最後は、関西棋院の秘密兵器こと田中康湧四段と、広瀬優一七段で、解説はこの二人の若手を大好きだという関西棋院の呉柏毅五段でした。

 田中君の秀策流と、広瀬君の両三々で始まり、渋い二間挟み、それに対する二間飛びと昭和かと思うような布石で進行しました。

 ここで左辺の6線に構えた手が両三々とミスマッチで少し広瀬君が悪くした印象。その後、順調に田中四段がリードを広げていき勝利しました。

 呉五段の解説はまずまずでした。二人との対局回数が意外にあるのは、世代も段位も近いからですかね。その意味では適切な人選だったと思います。

 8月から2回戦に入りますが、解説者は三谷八段、宋光復九段、レドモンド九段、本木八段だそうです。しっかりした人が並びましたが、この人のは見逃せないという人もいないでしょうか。本木八段が一番見逃せないと個人的には思います