三体を読む

 三回目になります。
 今回はWOWOWで放映中のドラマが半分を越えたから復習・確認のため。
 読んでみると、意外なほどにドラマがちゃんとしているのに驚きました。

 徐冰冰って、ドラマオリジナルキャラかと思っていましたが、原作にも二度に渡って数行だけ登場しました。でも、ドラマ版の造形の方が圧倒的に魅力的です。
 史強がアシスタントを10人要求したのに対して常将軍からアシスタントとして派遣されてくるのですが、ネットワーク調査でも聞き込みでもいつの間にやっているのか判りませんが凄い調査力です。自称10人分働くとのことですが、本当にそのくらい働きます。なのに、登場シーンではいつも汪淼の研究室の床をモップがけしています。ある時、史強が「これからはモップがけは、俺がする」と言うのですが、なるほどその方が効率が高そうと思います。

 慕星(ムー・シン)は、史強の前に登場する生意気な童顔女性ジャーナリストですが、これは原作にはいませんね。
 同様に斎家屯に向かう列車内で申玉緋への暗殺者を倒す美人少女護衛(陳雪)が気になりましたが、これも原作には登場しません。そもそも当該の車内の場面が原作にはありません。

p66

丁儀について

この物理学者は、球電の研究過程でマクロ原子を発見し、その名を世界に轟かせた。

p67

これは物理学研究の最前線が大きな壁にぶつかっていることの表われです。

そこで、新たな思考のルートを切り開こうとしているのが<科学フロンティア>です。

p206

オフィスにいる若い女性警官は、煙を寄せつけまいと、メモ帳で顔をあおぎ続けている。史強がその女性警官を紹介した。コンピュータの専門家で、名前は徐冰冰、情報保安課に所属しているという。

p213

その当時、ぼくはひとつ思いついた。モンテカルロ法って聞いたことがあるかな? そう、不規則な図面の面積を計算するコンピュータ・アルゴリズムだ。

p280

ややあって、文潔のそばにいた護衛のひとり、スレンダーで美しい少女が魅惑的な笑みを浮かべたかと思うと、気軽な足取りで潘寒のほうに歩み寄っていった。

潘寒が顔色を変え、ジャケットの内ポケットに手を入れようとしたが、少女は目にもとまらぬ速さで彼に飛びかかった。なにが起きたのかだれにもわからないうちに、少女は春の藤のように細くたおやかな腕を潘寒の首に巻きつけ、もう片方の手を頭のてっぺんに置くと、思いがけない力と正確な手さばきで、潘寒の頭をぐるっと180度回転させた。頸椎の折れる鈍い音が、静まり返ったカフェテリアに響きわたった。

p288

太陽は増幅器なのだ。

だがここで、次の疑問が生じる。太陽には、地球からの電波も含め、宇宙からの電磁放射がつねに降り注いでいるはずだ。どうしてその一部だけが増幅されるのか。

p300

応答するな!

応答するな!!

応答するな!!!

この世界はあなたがたのメッセージを受けとった。

わたしはこの世界の、ある平和主義者です。この情報を最初に受けとったのがわたしだったことは、あなたがたの文明にとって幸運でした。あなたがたに警告します。応答するな!

p304

来て! この世界の征服に手を貸してあげる。わたしたちの文明は、もう自分で自分の問題を解決できない。だから、あなたたちの力に介入してもらう必要がある。

p365

スタントン大佐が言う。「目的は、設備を破壊することなく、船内の全人員を排除することだ。となると、真っ先に思いつくのは、球電兵器を使用することだ」