三体を見るその4

 いよいよ最終盤です。

 降臨派の首魁であるマイク・エヴァンスが登場してきました。彼が多国籍石油企業の遺産で作ったという紅岸2号を搭載したジャッジメントデイ号が登場。そこに降臨派が独占している三体文明との交信データが。

 国連多国籍軍は、このデータ取得を目指します。データを傷つけずに船を無力化する手段として球電兵器、中性子爆弾などが検討されますが、いずれも確実な任務達成を期待できません。

 そこへ乗り込んで来て一説ぶちかましてくれるのが、この人。史強、一世一代の見せ場です。此処でアメリカ軍の特殊部隊司令官スタントンに対して、「オレはあんたたちが勝てなかった相手に勝ったんだ」と中越紛争でのヴェトコンのダム破壊作戦を阻止した履歴を披露します。

 そして、こういう作戦を考えるには泥棒が一番、オレはその泥棒たちと散々知恵比べをしてきたと。そして、ついに出ました汪淼のナノ素材「フライングブレード」。これをパナマ運河に張っておき、船を乗組員ごと50cm刻みにスライスしてしまおうというのです。

 映画ならともかく、テレビシリーズでこの特撮をやるとは思いませんでした。

 しかし、かなり力が入っていて見応え十分でした。汪淼が双眼鏡で船が通過するのを見ていると、甲板に立っていた男が胴で真っ二つになり朽木のように倒れます。

 さらに、船体も刻まれていき、艦橋構造物はまるでパズルの「ハノイの塔」のようにスライドして崩れていきます。

 艦内にいたエヴァンスは異常に気付き立ち上がりましたが、その瞬間に膝下を切断されてしまいます。

 サーバーに歩き出そうとして足が切り離されて上半身だけで這っていきます。

 かなりエグイのですが、ここが多国籍軍側のクライマックスです。

 最終回は三体側の智子(ソフォン)計画です。多次元を低次元に折りたたんだり、逆に展開したりするのですが、特撮表現を越えた世界なので古筝作戦ほどの見栄えがしないのは止むを得ないでしょう。

 このソフォン計画をゲーム三体にログインして見守る汪淼と史強という所で本ドラマシリーズは終ります。三体艦隊が本当に太陽系にやってくるのは450年後です。

 全30回。スーパーヘヴィー級ですが、なかなか良くできていたと思います。

 陳雪を筆頭に、魅力的なヒロインを数人作り出し、なかなか良い翻案脚本だったと思います。年末に一挙放送がもう一回あるのですが、すぐは再見しなくても良いかなと思います。

 またいずれWOWOWさんは回してくると思いますので、もう一度まとめて見ることもあるでしょう。HDDに「三体ゲーム」関連の回をいくつか残してあるので、年末に再見して消去する予定です。