千葉会:フォートサムターを対戦プレイする

ダウンインフレームスが不完全燃焼に終わったので、南北戦争開戦前夜に転戦しました。

ちょうど一年ぶりくらいです。

久しぶりにプレイしましたが、たった3ターンの中で一手も効率の低い手を打てない緊迫したゲームです。

今回は南軍をプレイしましたが、3ターン目にWilandorさんの武器庫への一着が必殺手となって7対11と4点差で完敗しました。

第1ターンに先行してしまうと、手止まりを相手に渡してしまうので作戦設計が難しくなります。第1ターンは出遅れておいてオブジェクティブカードを貯めた方が、少なくとも第2ターンは立ち回りやすい気がします。いや、第3ターンの手止まりを持つ必要があるから2ターン目も1オブジェクト達成くらいに抑えるのでしょうか。

ファイナルクライシスの手順が独特で、そこでの立ち回りに悩みます。ファイナルクライシス時点で第2プレイヤーになっておく前提で、最後の手止まりで相手のVPを減らして自分のVPに変えられそうなディメンジョンのカードを1枚は積み込んでおく必要があるように思います。と言っても第1ターンの時点とかで、それがどこかは見当が付きませんから、フォートサムターのある赤を放り込んでおくのでしょうか。

そうした指針を与え、ファイナルクライシスでフォートサムターのコントロールを巡って争うように作ってあるのが、ちょっと洒落た所です。

かくして南北戦争最初の砲声はサムター要塞で響くことになるのです。

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千葉会:ダウンインフレームスを対戦プレイする

さて、「ダウンウィズザキング」の予定でしたが、アクシデントにより最少催行人員を割り込んだため中止となりました。

急遽、Wilandorさんと二人で、「ダウンインフレームス」を対戦しました。両軍が攻撃する機会のあるキャンペーンが良かろうということで選定しましたが、やったことがないものに挑戦しようと考えた結果、ポーランド戦となりました。

初めてポーランド機に乗りました。

いやはやビックリするほど弱くて驚きました。

二任務プレイしましたが、いずれも全滅しました。

なんじゃこりゃあ?‥という感じです。

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こちら、P-11です。

1932年に制式採用されたらしく、1940年の時点では旧式機。エンジンパワーが不足していて、手札が枯渇したら全然補充できません。ゲームにならないレベルの弱さです。

うーん、ポーランド機には二度と乗るまいて。

オールクリア2を読む ちょっとしたパラドックス

タイムトラベルものには、タイムパラドックスが付き物です。

本書でも、そもそも第二次欧州大戦ではどちらが勝っていたのかという大問題が軸線になっています。

それはそれとして、ちょっとした手妻が盛り込まれています。

アイリーンは、アガサ・クリスティーのミステリーを愛読するのですが、アガサは正に大空襲下のロンドンにいます。

そこで、彼女は、執筆前のアガサに、自分が読んだ作品の話しをするのです。

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さて、では、このミステリーのアイデアを最初に思いついたのは誰なのでしょう? アガサでしょうか、アイリーンでしょうか?

広瀬正の「マイナスゼロ」も主人公がパラドックスを予防しようと奔走するのに、娘が最後の最後にちょっとしたイタズラを仕掛けて唖然とさせてくれます。あれに、とてもテイストが近いお話しです。

テルアビブオンファイアが見たい

eiga.com

今日の「王様のブランチ」で映画情報を見ていたら、単館上映系を3本紹介していました。どれも面白そうでしたが、ウォーゲーマー的には、このタイトルはそそられます。

と言っても、戦争映画ではありません。

リンクを見ていただくと判りますが、題名は作品中に出てくるテレビドラマシリーズのタイトルなんだそうです。

で、主人公はこの作品の脚本家に抜擢されるのですが‥。

調べてみたら上映開始は22日からだそうです。渋谷と新宿かぁ。千葉県民には、ちょっとだけハードルが高いのですが、これは見たいなぁと思っています。

 

オールクリア2を読む つづき

今年の秋は、ルフトヴァッフェとしてロンドンを空襲する側でした。

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しかし、本書を読むと、空襲された側のロンドンの人々の苦労が身に染みます。

p473

でも、あのときに来ていたら、VEデイをきちんと味わうことはけっしてできなかった。何年も暗い夜を過ごしてきたあとで光を見ることの意味は-接近してくる飛行機をなんの不安もなく見上げられることや、空襲警報のサイレンを何年も聞きつづけたあとで教会の鐘を聞くことの意味は-理解できなかった。この笑顔と歓声の裏にある配給と粗末な服と不安の歳月を知らず、この日を迎えるまでに彼らがどんな代償を払ってきたのかもわからなかった。

ウィリスの献辞にもある通り、バトルオブブリテンの勝利、第二次欧州大戦の勝利は、RAFだけによるものでもなく、チャーチルのものでもなく、ロンドンの人々、イギリスの人々の勝利だったのだと痛感させる小説です。

☆オールクリア2を読む

終わりました。

圧倒的な構造物です。

二回目で、ネタは割れているにも関わらず最初から最後までドキドキさせられました。大森氏はウィリスの最高傑作は「航路」との意見ですが、個人的には本二部作が凄いと思います。まぁ、ドゥームズデイも含めて、ウィリスはどれも凄いですが。

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ポリーが正解に気付き始めてから、本当に最後のページまでに百数十ページもあります。こんなにまだあったっけか?と思いましたが、そこからが名場面の連続です。

p422

「別れる前に3つの質問がある」

ポリーは、「なにをお望みでしょう、わが君」

「われわれはこの戦争に勝ったのかね?」

知ってたんだ。ポリーは感嘆の念に打たれた。あの最初の夜からサー・ゴドフリーは真実を知っていた。

「ええ。勝ちました」

p429

「アイリーンはどこにも行かないっていった。約束したでしょ」

「ええ、覚えてる」

「残るって誓う?」

「誓う」といってアイリーンはビニーにほほえみかけた。「わたしが行っちゃったら、だれがあなたとアルフの面倒を見るの?」

ポリーはアイリーンに噛みついた。

「なんでビニーに嘘をついたの? こんなのフェアじゃない」

「そんなこといえない」

「どういう意味」

「わたしは行かないのよ」

p431

アイリーンは首を振った。「あれはわたしだった。わたしはあそこに行かなきゃいけないのよ。ほかのすべてが起こるように」

「他に方法があるはずよ」

「わたしが残ることにした理由はそれだけじゃないの。アルフとビニーがいるからよ。教区牧師さんに約束したの。ふたりの面倒をみるって。彼の信頼を裏切るわけにはいかない」

p433

「わたしたちの居場所をコリンに伝えたのはわたしなのよ。そうじゃなかった?」

コリンが返事をしないでいると。

「戦後、コリンはわたしを見つけ出し、わたしがあなたたちの居場所を教えた。そうじゃなかったら、ここを見つけられなかったはず。だから、わかるでしょ、わたしは残らなきゃいけないの」

p438

ビニーは抵抗した。

「あたしもお別れをいいたい」

「そうだよ」アルフも姉の横に「ぼくらにもさよならをいう権利がある」

そのとおりだ。ふたりはまちがいなくその権利を自分の力で勝ちとった。救急車を運転し、地図と落ち合う場所を提供し、アイリーンが降下点に行くのを妨害した。ダンワージー先生を足止めし、それ以外にもいろんなことを邪魔し、妨げ、止めてきた。

p470

そのときポリーが見えた。ほんの2,3メートル先を、人の流れに逆らってチャリングクロス駅の方に向かっている。記憶より若く見えた。のちにその顔に刻まれる悩みも悲しみもまだ知らない、コリンがあらわれたあの夜の喜びもまだ知らない表情。

p474

「お捜しになっているのはこのふたりですか、マダム?」うしろから男の声がしてふりかえると、従軍司祭がふたりの子供を連れていた。片手はビニーの肩の上、もう片方の手はアルフの襟をぎゅっと握っている。

「すごいひとを見つけたんだよ!」とアルフがうれしそうにいった。「牧師さん!」

―――――

本書を最後まで読むと、作者が一番のご贔屓はホドビン姉弟と言うのがとても良くわかります。「ブラックアウト」しか読んでいない人(そんな人はいないと思いますが)には理解できない話しではありましょう。

個人的には初読の時と同じく、サー・ゴドフリーに尽きると思います。

前述のp422に尽きます。

本当に最初の夜から全てを知っていたとすれば、真に恐るべき存在です。

つづく

ダウンウィズザキングをソロプレイする

なんだかんだ言っても、動かしてみないと見えないことが多々あるのでやってみました。

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1ターンの手順は、

官職フェイズ → 王室イベント → 各プレイヤーターン

となっています。

官職フェイズには、空席のポストを早い者勝ち立候補で埋め、前ターンから残っている政治課題の解決を試みます。

王室イベントは、いろいろあるのですが確率的に高いのは新たな政治課題の発生です(苦笑)。

各プレイヤーターンには、

ロイヤリティカウンター、オポチュニティカウンター、イベントカードを1枚ずつ補充し、その後で任意の2アクションを実行。その後に現国王に忠言(直訴)できます。

ロイヤリティカウンターは、ゲームに登場する各キャラクターに対応しており、これを引いたら1アクション使って対象キャラを雇えます。王族も似たような方法で雇いますが、膨大なイベントカードの中に一人につき一枚しかないものを引いてこなくてはなりません。通常キャラは、毎ターン、ほぼ1名増員できるのに対して王族は滅多に引いて来れません。

プレイしてみて思ったのですが、通常キャラを各プレイヤーが毎ターン1人ずつ雇っていくと、凄い勢いで中立キャラクターは減ります。ですから、昨日書いたほどには現国王打倒は大変ではないような気がしてきました。

その一方で、そういうことならば敵の敵は味方かと思っていましたが、そこまで協力する必要はありません。早い段階からプレイヤー間で仕掛けるのが有力な気がしてきました。

仕掛け方が豊富なのが本ゲームの特色です。

概して効果が大きそうなものは、仕掛けるために必要なリソースのハードルが高い気がします。暗殺と奸計で他プレイヤーのキャラクターを引き抜くのは、いかにも効きそうですがオポチュニティカウンターとイベントカードの両方を要求します。ですから、ゲーム後半戦のここぞという場面まで温存される気がします。

比較的軽いのが陰謀です。これは相手の手札を1枚引いて捨ててしまうものです。ところが、侮れないのが引いたカードが非合法カード(上述の暗殺、奸計、に加えて初期手札で配られ捨てられない国王誹謗など)だと、カード自体は返してやらねばならないのですが、犯罪者として告発できます。

告発されると聴聞に呼び出され、聴聞判定をします。告発した側は証拠カードを、された側はアリバイカードを応酬してダイス修整を決めて判定します。ただ、聴聞で潔白を証明できなくても、続いて裁判に進むことになり、そこでもう一回同様の手順を踏みます。ここでも負けると正式に有罪となり、追放、投獄、処刑と言ったことになります。

追放や投獄に対しては許しを乞うこともできますし、他のプレイヤーの犯罪者も恩恵を受けてしまいますが恩赦を出すこともできます。ですので、そう簡単には息の根は止められません。

いずれにせよ自分の息がかかったものを玉座に送り込まねば勝利できない訳ですが、そのためにはやはり王族をいかにして取り込むかです。イベントカードをアクションでも追加購入するのが簡単です。

が、他のプレイヤーに王族を独占されそうになったら、やはり引き抜くことも考えねばなりません。暗殺しても自分のものにはならないので、できることは二つ、奸計で引き抜くか、色仕掛けで誘惑するかです。

奸計で引き抜くのは前述したようにリソースのハードルが高いです。しかし、条件を満たせば自動的に成立してしまいます。すると、防衛する側としては相手の手札を引いて隠し持っている奸計カードを引いて告発するくらいしか思い当たりません。

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誘惑は、男性のRCに対して女性の通常キャラクターで仕掛けます。女性キャラクターの誘惑値で判定しますので、先ず色気のある女性キャラクターを雇うのが重要です。防御側としては、そもそも女王を立ててしまえば同性愛禁止の世界なので大丈夫(笑)。それは冗談として、誘惑は情報屋カード(または、奸計カード)でキャンセルできます。つまり、「国王様、あの女は誰某の送り込んできた女狐にございます」と密告すれば良いのですね。そういう意味では、誘惑はキャンセルされやすいのです。ただ、誘惑カードは非合法カードではないので、告発されるリスクなしに準備して置けるという利点があります。