再びルソンへ:黄金の日日

さて、先週は壮絶な鳥取城飢餓地獄(機械不調で録画失敗)でしたが、助左はついに自分の船でルソンへ。

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10年も経っているけど大丈夫かと思わせますが、マリキットと出会い、ラカンドーラの館へ案内されます。そこにはハギビスはいましたが、ラハはいません。

数年前からイスパニア人がマイニラを占拠して、そこから時折攻撃してくるのだと言うのです。

大航海時代の主役であるスペインも、此処では単なる敵役で気の毒です(筆者はゲーム的にはスペイン贔屓なのです。特にリメンバーザメイン)。

助三はラカンドーラに加勢することとし、水夫たちに竹細工を命じます。

何を作っていたかと思えば、館へ突入してきたイスパニア軍の前に引き出したのは大筒でした。それも2門も。イスパニア軍は想定外の事態に算を乱して撤退していきました。

これを積んできていたのかと驚くハギビスに、助左は大筒本体に火を掛けて燃やして見せます。竹細工なのです。ともあれ勝利の勝鬨を挙げるアゴ―村の人々と助三たち。

10年も経っていても互いに見分けられるマリキット、ハギビス、ラカンドーラ。すごいです。そして、助左はノーラに悲しい知らせを伝えなければなりません。

今回、彦助の手引きで密航してきた美緒ですが、二人でルソンに残ることに。美緒は村に日本から売られてきてマイニラを逃げてきた娘がいることを知り、他の娘も探そうと決意したのです。

彦助の所に、この娘(しの:演:増子志津江)が差し入れを持ってきたりして、意外な恋の予感も。

風向きが変わったので荷を積んで出港する助左。その船が日本に着くころには、秀吉は備中高松の水攻め中。折しも信長は京都に入り本能寺へ宿泊する所でした。

少し前から思わせぶりでしたが、いよいよ本能寺です。

☆御前試合を読む(ネタバレ注意)

図書館です。

大富豪同心の4冊目です。

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これも快心の出来栄えで3冊目に続いて☆評価としました。

冒頭は剣術道場に押し込みが入って、家宝、豊後行平が盗まれます。

この道場主、溝口左門の一人娘が美鈴です。

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左門は切腹しようかと娘に介錯を頼む所まで行きますが、出火の次第を確認に来た卯之吉の間の悪い訪問で延期します。卯之吉は話しを聞いてなんとかしてやろうと思うのですが、名刀、豊後行平はそもそも出物がなく金だけでは解決できません。

そこで三国屋のお爺様に相談すると、なんと三国屋が金を貸している大名家から担保にとってある豊後行平が蔵にあるから貸してくれるということに。

かくて、大名家の一年分の可処分所得に相当する値打ち物の名刀が2本登場します。

一本は盗まれ、もう一本は借金の担保に質入れし、いずれも本人の手元にありません。

左門は武術指南役の声が掛かりますが、そのためには御前試合に勝利した上で豊後行平を披露することが必要となります。かくて、豊後行平がどうしても要るので節を曲げて卯之吉から貸してもらうことに。

さて、御前試合の相手は現職の指南役の加治川七郎なのですが、実は彼は左門の方が腕が上と見込んでおり、それでも左門を阻止するべく豊後行平を昔の仲間の悪党に頼んで盗み出してもらったのです。

かくて御前試合の当日となりますが、左門はさすがの腕前で加治川を倒します。

ところが、此処から話しは混乱して行きます。丸山のお殿様は見せてもらった豊後行平を一日だけで良いから貸してくれと言いだすのです。実は丸山家の行平は彼の家康公から下賜されたもので、この度、ご公儀に見せなければならないのに、実は質入れしてしまってないのだと言います。借りた相手の三国屋は悪徳商人(丸山の主観による)で、とても返してはくれません。

そうは言っても左門の行平も借り物で即日返却せねばならぬもの、そこで卯之吉は二本の行平について祖父と相談して解決します。

丸山家には利息分を免除することにして実現可能な返済計画を了承させて行平を返したことにします。

一方、加治川ですが卯之吉を逆恨みして襲う計画を立てます。

卯之吉の一の手下を自称する三右エ門が、この計画を感知し、迎え撃つことに。そして、この一味を撃退してもう一本の行平を獲り返します。

卯之吉の人物の大きさに惚れこんでしまった美鈴は、三右エ門の話しを聞いて卯之吉救出に参加します。男勝りの鬼娘と呼ばれる美鈴は、見事に一味を撃退して手柄は卯之吉に譲ります。そして、押し掛け女房よろしく卯之吉の屋敷にやってくることになりました。

かくて卯之吉の手柄はどんどん増えていき、今や江戸で南町奉行所の八巻卯之吉を知らぬものはないほどに‥(^o^)

☆原発と日本はこうなるを読む

いま話題の渦中の人、河野太郎の本です。

2011年、福島原発事故の後に発売された本です。

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今回の総裁選で脱原発に関して節を曲げたとか、曲げていないとか話題になっているので、そもそもどういう主張だったのか確認しようと図書館から借りてきました。

結論から言えば、河野太郎はもともと脱原発だったとは言えません。本人の言を借りると、脱「核燃料サイクル」だったのだそうです。

さて、「核燃料サイクル」と言っても、若い人には説明が必要な構想になってしまいました。

軽水炉で発電に使用した核燃料廃棄物から未反応ウラニウムと生成プルトニウムを回収して、専用の原発高速増殖炉)で再利用して多くのエネルギーを取り出そうとする構想です。

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ここで、「構想」と書いたのは、高速増殖炉技術は1980年代に先進諸国で大いに検討されたものの、ほとんどの国で検討中止になっているからです。日本では「もんじゅ」という研究炉を建設しましたが、事故などで廃炉の方針が決まった状態になっています。

と言うことですので、河野氏自身が主張するように全面的な原発反対派であった訳ではないという主張には一理あります。

その一方で、新規原発建設中止と、40年廃炉ルールを徹底して、2050年には原発ゼロを目指すという主張はしており、「河野は脱原発だ」と言う人はこの部分を捉えて論じているのだということがわかりました。

さて、そうした嘘つき問題を離れて本書を読んでみると、非常に良く調べてあり勉強になる本だと評価できます。

やはり、国会議員という肩書だといろいろな官庁や関係団体からちゃんとした資料を出してもらえるのでしょうか。

特に日本で起こった主な原発事故の数が17件という情報には驚きます。これに関連して原子力村の隠蔽体質に関する指摘は非常に鋭いものがあります。

また、原子力村と著者が総称する組織内部での利権構造に関する詳細な説明にも絶句させられます。電力会社と言うのは、こんなにダメなのかと痛感しました。

しかし、河野氏はこれは原子力村だけではなく、他の利権村にも共通する問題だと指摘し読者をさらに戦慄させます。

自民党総裁選に興味がなくとも、原発の真実の一端を知りたい方は是非とも読んでみるべきと思います。内容の濃さから考えれば新刊で買って損はないと思います。

ルールの冗長度

以前に少しだけ書きました。

筆者はルールブックを読む時には下線を引いていますが、下線部だけを読めばルールとして機能するように引いています。

具体的な例を出しましょう。

まずルールそのまま

「王朝ボックス(10.4)に、イリリア朝がある場合、カエサルは凱旋勝利を挙げる毎に追加で1回、任意の統制下のユニットを用いて任意の戦役と交戦することができる」

全部で77文字あります。

下線を引いた部分だけだと

「イリリア朝がある場合、カエサルは凱旋勝利を挙げる毎に追加で1回、任意の統制下のユニットで任意の戦役と交戦できる」

54文字に圧縮されました。したがって冗長度=(77-54)/77=30%

極めて頻出する例として、

「●●することができる」があります。ルールの機能としては「●●できる」で用は足りています。つまり、「することが」の5文字が加わることで、ルールとしては何の機能も追加されません。

もちろん小説の訳文であれば、動名詞不定詞を訳す時に意図的に使い分けているのであれば原文のニュアンスを反映する意味がありますから、このように訳すことが常に意味がない訳ではありません。

先の例に戻ります。

「王朝ボックス(10.4)に、

の部分には意味がありません。王朝チットが出たら王朝ボックスに置くことは別の項目で定義されており前掲自明だからです。なので、「イリリア朝がある場合、」とだけ書けば、それが置かれている場所は必ず王朝ボックスなのです。なので、この部分は冗長であることになります。

一時期流行した「ロジカルシンキング」と同じような話しなのですが、こうしたことを意識するだけでルールブックの記述はずっとすっきりします。入力の手間も印刷インクも削減されて良いことばかりです。

長年、こうしたことを意識して色々なルールブックに線引きをしてきましたが、時折、ほとんど圧縮が効かないルールブックに出会います。GDWのSFゲーム群はほとんどがそうです。「ダブルスター」、「ブラッドツリー解放戦争」など。

恐るべきはこれらのルールブックはルール全文に下線を引いてもルールとして十分に機能しません。冗長どころか、説明が大幅に不足しているのです。

不足しているよりは、冗長な方が罪が軽いとは言えるでしょう。だからと言って意図的に冗長に書くことはないですが。

もう一つ例を

3D6の戦役チェックがトリプル、または白の2個のダイスがダブル、かつイベントボックスで弾圧イベントが重複している場合、大惨事が発生する」

下線部としては

戦役チェックが白の2個のダイスがダブル、かつイベントボックスで弾圧イベントが重複している場合、大惨事が発生する

となります。白2個、赤1個の3個を振るのですが、トリプルの場合は必然的に白は同じ目(ダブル)なので、白のダブルだけを規定すればトリプルは含まれるので、この部分の記述は冗長となります。

これは記述的な冗長度ではなく、論理的に過剰定義なケースです。

このパターンになると、ゲームルールとして理解して読む必要があるので、少し難しくなります。

マスカレードホテルを見る

地上波です。

とにかくcmがたくさん入ってズタズタなのにはうんざりさせられました。

映画自体は2回目ですが、今回は見応えありました。小さなエピソードを積み重ねるのは「新参者」と似ています。さすがは、東野圭吾

長沢まさみのショートがなかなかカッコイイのです。

妹分的なホテルクラークが誰か判らなくて検索してしまいました。石川恋です(左)。「惜しい刑事」のヒロインになるなど、当時より知名度はアップしているのに、すぐに出なくて申し訳ない。

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個人的には菜々緒宇梶剛士のエピソードが一番好きです。

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真犯人は、さすがの松たか子。キムタクと組むと、なんだ「ヒーロー」かよということになるのですが、この役をできる女優がそうはいないので仕方がない所でしょうか。

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人生ゲーム:ジェダイへの道

こういう機会でないと、話題にするチャンスがないかと思い採り上げて置きます。

人生ゲームはディズニーと連携しているらしく、ディズニー映画とタイアップしたものがいくつも出ています。

その中でSFものとしては、こちら。

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なるほど。

ルーレットが空中に浮いている演出は、なるほどと思うべきか、ちょっとズレているという感じなのか迷います。

人生ゲームと言うと車に乗って家族のピンを刺すのが定番ですが、それはないのですね。

ゲームが進むに連れジェダイとダークサイドに別れていき、最後は両者の中で最強の者同士で雌雄を決するのだそうです。

ダークサイドの方がパスが短いので有利らしいですが、問題なのはダークサイドを選んでリードを稼いでから再転向して戻ってこれるのだそうで、競技ゲームとしてはどうなのよというコメントを見掛けました。

まぁ、話しの種以上の物ではないのでしょうね‥(^_^;

人生ゲームの作者(ルーベン・クラマー)亡くなる

ベイFMの「照美でサンデー」を聞いていたら、あの「人生ゲーム」の作者が14日に亡くなられたそうです。

BGGのデザイナー情報。

Reuben Klamer | Board Game Designer | BoardGameGeek

人生ゲームだけの人ではなかったと知って驚きました。

人生ゲームの次に発表したスクエアマイル。

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説明を読むと、ラヴェンスバーガーの「メトロポリス」を彷彿とさせます。

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こんなに早い時期に多人数協力交渉ゲームのメカニクスを発明していたのですね。もっと高く評価されてよいのではないかと言う気がしてきました。

これも見たことがあります。オールザキングスメン。

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コマによってではなく、占めているマスによって移動方法が規定されるチェスなのだそうです。そうか、そういうゲームだったのか。着想としては「トリップル」と同じですね。

ああ、トリップルもありました。ありがたや、BGG。

一発屋のウィリアム・パワーズの佳作。

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こちらはボードが組み換え式になっていました。

最後になりましたが、ご冥福をお祈りいたします。