オードリーを見る

 「まんぷく」の再放送が終わって次は何かと思ったらオードリー(2000)です。

 地デジでは次の「ちゅらさん」だそうですので、2000年と2001年の作品の並行再放送となります。

 主演は岡本綾。一回目の舞台がいきなり太秦なのはびっくり。出てくる看板俳優が「もも剣」に「栗きん」という。もも剣って、どこかで聞いたなと思ったら、同じく太秦を舞台とした「カムカムエブリバディ」の川栄編に登場したそのものです。厳密には助の字が介になっているので、似たような別人ということのようですが。

 国村準と、藤山直美の「いもたこなんきん」の主演コンビが両方登場するのも、NHK大阪は、いつも同じような顔ぶれで使いまわしているなと思います。別に悪くはありませんが。

 お母さん役が賀来千香子、お父さん役が正に大河で活躍中の段田安則

 そう言えば段田は「カムカムエブリバディ」の第一部でも活躍しました。

〇殺人記念日を読む

 図書館です。

 以前に読んだこちらが非常に良かったのでディレーニイの新作がないかと探しましたが不発。

bqsfgame.hatenablog.com

 なので、訳者の唐木田さんの最近の仕事を検索して、梗概を読んでこちらを借りてきました。

 主人公は愛する妻が実の姉から暴力を受けてきたことを知り、さらに姉が家族の周辺に出没して危機を感じたことから殺してしまいます。夫婦で共謀して死体を隠して犯罪を隠蔽します。

 次はその姉の知人がやってきて、お前たちが殺したのだろう公表するぞと恐喝してきます。なので、夫婦で共謀して殺害隠蔽します。

 この夫婦での共同作業による一体感に酔ってしまった二人は、さらに新たなターゲットを探し始めます。住んでいる地域で18年前にあった連続殺人犯が帰ってきたと偽装して、彼が選びそうな女性で係累などがなく発覚が遅くなりそうな女性を選んで殺害し埋めてしまいます。

 そのターゲット選びの過程で身辺調査のために主人公はターゲット女性をナンパし、一線を越えてしまいます。

 そのことを察知した妻はどうするか‥というのが本作の中核部分です。

 主人公が殺人のために夜中に出かけるのを見つけた息子は、浮気だと推定して主人公を恐喝します。この段階で、てっきり最後は恐喝してきた息子も殺してしまう話しになるのかと思いましたが、そうではありませんでした。むしろ息子は最後のクライマックスでは敢然と主人公を守るべく真犯人との間に立ちはだかってくれます。

 さて、真犯人とは?

 主人公は自分が真犯人のつもりでいたのですが、実は最初からそうではなかったという驚愕の真相がクライマックスで明らかになります。

 そうか、そうだったのか! と絶句するアイデアです。

 殺人犯側の家庭の心理劇なので、万人にお勧めとは言いにくいのですが、お代は見てのお帰りとは行きませんが一読する価値はあります。「冷たい家」より1ランク落ちますが、これもベストセラーになるだけのことはあります。

 以下、ネタバレ注意です。

p242

 ローリーがわたしを恐喝してのけたことに、はじめは感心したものだ。それは認めよう。証拠を押さえた息子より、押さえられた自分に腹が立った。

p401

 わたしはできるかぎり声を大にして言います。最近ふたりの若い女性が殺害されたのは、痛ましく、たいへんつらいことです。ですが、これだけははっきり申し上げます。兄は今回の事件とはなんの関係もありません」

p479

 ナオミの血でそのメッセージを書くことができた人間はひとりしかいない。話を聞いたときからわかっていた-別の説明を探し求めていただけだ。

「夫をはめたのか」わたしは言う。

p483

 「どれぐらい前から計画してたんだ」

「それって大事?」

 いや、もうどうでもいい。

「説明させてくれないか?」

「だめ」

「ミリセント」

「なあに、謝るつもりなの。たまたまこうなっただけで、悪気はなかったって?」

 ぐうの音もでない。

「それで、どうするの? 逃げて隠れるか、それともとどまって戦うか

 ほらまた、だからあなたはダメなのよ」

p502

 アンディが一瞬ためらってから、首を横に振る。「そこまで、めちゃくちゃになったんなら真実を告げよう

 おれはミリセントを全然好きじゃなかった。いつも少し冷たい感じがした」

「きみは正しかったよ」

p535

 夫が連続殺人鬼だと知った妻ならそうするのが当然だろう。夫をはめた連続殺人鬼ならそうするのが当然だろう。

p560

 わたしはその顔を凝視しながら、ホリーについてミリセントから聞いた話を全部思い返す。怪我、事故、脅し。切り傷。まちがっていたパズルを直すように、頭のなかでピースが置き換えられる。

 全部ミリセントが自分でしたことだった。

不適切にもほどがあるを見る

 筆者宅は夫婦そろって仲里依紗が苦手なので当初はまったくノーカンでした。
 しかし、職場で大いに話題になったので見てみたら、これは近年のコンプラ過剰時代を痛烈に風刺した佳作だと思いました。
 昭和が良かったかと問われると、いろいろと無神経な時代だったなと思うのですが、いまが良いかと問われると今は今で非常に生きにくい時代であるということを鋭く指摘した快作でした。
 山本耕史が今を代表するイヤな奴を好演していて、これがドラマ成功の大きな要因だったかと思いました。

 最近大活躍の河合優実が今回も非常に味のある演技を見せていました。家内はすっかり河合ファンに。

 「ブラッシュアップライフ」に続いてタイムトリップものなのですが、あちらが輪廻転生なのに対して、こちらは都バス型タイムマシンという。
 クドカンの久しぶりの会心作でした。クドカン組の小泉今日子が予想通りに現在のキョンキョン役として登場し、50台になったアイドルの立ち位置の難しさを自ら語るのには笑ってしまいました。

4月の課題

 3月も1月に続いて(続いてない?)ゲーム会に行けませんでした。
 4月の千葉会は、先日から準備している「ブーディカ」の対戦を予定。和訳、ソロプレイまでしたので、大体、大丈夫そう。
 4月の茨城会は、お誘いを受けて池田先生の「フランス革命」に参加しようと考えています。まだルールも読み終わっていないので、そろそろ準備を急がなくては。
 と言うことで、

課題1:ブーディカ

課題2:フランス革命

課題3:カフカス攻防戦
 BANZAIマガジンの一つ前になりました。
課題4:ロンメルがゴーグルをひろう時
 BANZAIマガジンの最新になりました。
課題5:カロリング朝の黄昏(再)
 非常に良かったので2回目を企画中です。実現は5月になることでしょう。

ユミッキー、頭NO王連覇

 4年ぶりの頭NO王が開催され、前回に続き弓木奈於が連覇しました。

 こういうのは連覇と言わないですかね。

 珍回答に登場する頻度から見て圧勝であろうことは予想されました。

 そんな中でも、無駄に発音の良いアリゲーターが光りました。

 なぜかアリゲーターを発音する時には自分を指しているのが非常におかしい。

 新年会余興の新しい乃木坂のリーダーズも良かったし、バラエティアイドルの面目躍如です。

来季のNHK杯囲碁トーナメントに向けて

 星合さんが卒業されるという報道が既に流れました。

 聞き手は3年交代だったのですが、前任の長島さんが4年、星合さんは5年も務めました。
 もうすっかりNHK杯囲碁トーナメントと言えば星合さんという感じです。
 後任は囲碁フォーカスで人気の安田明夏さん(関西総本部)だそうです。なるほどという人事異動です。
 今年一年は非常に解説者の選任が良かったと個人的には思いました。
 昨年の今頃に出したリクエストの内、片岡先生、鈴木歩先生、首藤先生が実現され、個人的には大いに満足でした。
 三回戦あたりから良い解説者をずらりと並べてきて、準決勝に羽根、河野臨と並べたのは大いに評価できます。決勝は誰かと思いましたが山下先生でした。井山王座がベスト4まで勝ち残ってしまったので頼めませんから、後は石田先生か、張栩九段かと思っていましたが、斬新な布石で対局者として人気の高い山下九段を持ってきました。なるほど。
 来季に向けてのリクエストとしては、今年も実現しなかった今村俊哉先生と、美声の清成先生の復活を期待します。鈴木歩先生も是非来季も。
 あとは八段解説者5人衆(林漢傑、首藤瞬、孫喆、平田智也、鈴木伸二)は、頼まなくても出て来そう。ここらへんが一番、脂が乗り切っていると思います。
 懸案は名古屋の解説者育成でしょうか。名古屋勢力が勝ち上がることが多くなり名古屋対局が増えていることもあって、名古屋解説者は不足気味と感じます。
 羽根先生、山城先生は鉄板として、彦坂九段、中野九段の復帰、六浦八段、大竹七段あたりの成長を期待する所です。これに、志田、伊田を加えれば8人になりますから、一応、廻るのではないかと思います。

3月のNHK杯囲碁トーナメント

 いよいよ準決勝です。

 意外にも準決勝進出は初めてという芝野名人と、準優勝経験者の志田八段。
 解説は名古屋の大エース、羽根九段でした。あれ、名古屋収録? 名人が名古屋へ出向いたの? NHK杯だけの実績で上座を決めるのならそうだったのかも知れませんね。
 羽根先生の解説は論理的に非常に明晰で安心して聞くことができます。志田八段の笑顔についての解説(コメント)も名古屋同士ならではでした。
 AIの形成判断はずっと黒の志田九段良しでしたが、作ってみれば名人の半目勝ち。大石の攻め合いみたいなのでなくてもAIって間違えるのですね。AIの能力に大いに疑問を持ちました。細かい碁もちゃんと計算しきれないのかとガッカリです。
 羽根先生もAIがずっと黒良しだったので黒に残っていると思っていたようで、終わり方はちょっと歯切れが悪くなりました。AIの来季の奮起を期待します(苦笑)。
 あと羽根先生が所々で、「この手はマネしない方がいいですね」と講義的なアドヴァイスを今回もされていてありがたいと思いました。

 もう一つの準決勝は、事実上の決勝とも言える一力、井山戦でした。
 解説は河野臨九段。
 両者とも最強の手段を繰り出す棋風なので、今日は険しくなると思いますという解説者の予想通りになりました。
 途中までは井山王座が押していたのですが、あきらめずに最強の手段で応戦する一力棋聖が逆転勝ちしました。
 解説の河野九段は難解な局面をできるだけ解説しようと、昨年に続いて喋り倒してくれましたが、今年も碁が難しすぎて解説しきれなかった感じです。それでも、河野九段で良かったと個人的には思いました。
 決勝戦の解説は誰かと思っていましたが、井山王座がベスト4まで残ってしまったので張栩九段あたりかと思いましたが、斬新な布石で人気の山下先生でした。
 一力vs芝野戦は、28局戦って、作ったことがただの一度しかないというデータが出てきて山下先生も吃驚していました。ちなみに山下先生の予想は5局くらいでしたので、少ないということはご認識の通りでした。
 碁の方は右下から非常に険しくなり、早々にどちらかがつぶれるかと思いましたが、険しいなりに均衡して進んでいき、一時は星合さんが二局目の作り碁になるかもとコメントを発しましたが、終盤戦で地合いに明確な差がついて名人が投げて中押しとなりました。

 6年連続決勝登場の一力棋聖の4度目の優勝で幕を閉じました。本命の堂々の優勝ですが、一回戦シードしかしてもらえない棋戦での6年連続決勝はスゴイことです。