SGC例会:アレクサンダーザグレートを対戦プレイ

bqsfgame2006-01-22

moonさんが持ち込んだ「アレクサンダー・ザ・グレート」を是非にとプレイさせていただいた。アレクサンダーの将軍たちになって争うというので、てっきりディアドコイ戦争かと思って、この題材のゲームは逃せないと思った。
ところが、事実は少々違っていて、確かにアレクサンダー配下の将軍たちになるのだが、実際にプレイするのはアレクサンダーの大遠征そのものである。配下となって先陣争い、手柄争いをする‥という設定である。
ボードはマケドニアからエジプト、さらにメソポタミアを経てインドまで遠征の全範囲をカバーしている。この全範囲を遠征の時代順に6つに分けている。ゲームは、各エリアごとに最大3ターンまでの行軍&建設をしていくことを繰り返す。
各エリアには、次のエリアへの入り口となるプロビンスが設定されており、此処に誰かの部隊が進入すると、そのターンの終わりで、そのエリアのプレイは終了して精算されてしまう。したがって皆で愚図愚図やっていれば3ターンあるのだが、電撃戦に走る将軍がいると1ターンで終わることもある。プレイヤーは、エリアの侵攻開始時に、15個のリソースコマをイニシアチブ(プレイ順序の決定)、部隊、寺院建設、都市建設の4種類に割り振る。決められたプレイ順に従って部隊を進軍させつつ、史実で実際に寺院や都市を建設したプロビンスに部隊を置くと、リソースを割り振ってあればそれを使って建設を試みることができる。また、経路が困難なところでは、建設に割り振った分のリソースから消費して進まねばならないときもある。
このリソースの割振りは、それぞれのリソースの意味が違っていて、どれも重要で非常に面白い。部隊を使ってプロビンスで多数派を占めれば2ポイントが得られるが、寺院建設は3ポイント、都市建設は5ポイントが得られる。ただし、そのプロビンスに部隊を1つは置いた上で、かつ同じターンに試みたプレイヤーの内、当該リソースに最大の割当てをしているプレイヤーだけが建設できる。このため、後の順番で先のプレイヤーが置いたのを見てから、後だしで勝つのが良い訳だが、後の順番を取るにはイニシアチブにビッドする必要があり、これは部隊にも建設にも使えなくなる訳だ。やりたいことはたくさんあるが全てを実施することはできないという正対正のジレンマが面白い。
ゲームマップは概ねヒストリカルだと思うのだが、ゲーム的にも非常に良く出来ていてマケドニアは練習、次のカッパドキア方面は寺院や都市が多く立つ悩ましいエリアになっている。此処で勝利得点や方針が分かれたところで、エジプト、メソポタミアへと進むのだが、此処では電撃戦で1ターンで終わらせることができる余地があって作戦展開が分かれるようになっている。そして、最後はスキタイ、そしてインドと繋がるのだが、スキタイでは建設が少ない不毛の地、インドでは直列にプロビンスが並んでいて電撃戦が出来ず、最後のクライマックス、疲弊した帰路となる。
この辺り歴史的な要素を良く反映しつつ、6つのエリアがそれぞれの個性を持つようになっていて非常に良く出来ていると思った。
今回は4人プレイで、ショートゲームで、カッパドキアからスキタイまでをプレイした。インスト込みで2時間強。丁度、お腹一杯になった。5人プレイや、フルゲームは少し重いかも知れない。
ただ、ペルシャを初めとする敵を征圧して行っているというプレイ感がなく、一種のビッディングゲームなので、そこのところはシミュレーション的でないかも知れない。また、かなり詰めて考えるタイプなので、典型的なゲーマーズゲームであろう。
個人的には機会があればまたやりたいと思うが、メンバーを選ぶので我が家に置いておく必要はないか。ドイツゲームと歴史モチーフが融合したデザインという意味では、「リベルテ」に次ぐかなりの傑作である。これがプレイできて本当に良かった‥(^o^)
ちなみにプレイの方は、カッパドキアで最初にイニシアチブを上手く握って先行、そのリードを生かそうとエジプトとメソポタミアでは電撃戦を展開。しかし、電撃戦に走って建築物がほとんどなかったので、最後の建築物のボーナス精算のところでmoonさんに抜き去られて5ポイント差で2位に沈んだ‥(;_;)