追加された二つのシナリオによるストーリーの多様性

一番に目に付くのは追加された二つのシナリオマップ、ブレーとアイゼンガルドだろう。本編では、モリア→ヘルムズディープ→シェロブの巣→モルドールと4つのシナリオを決められた通りに進むことしかできなかった。
ところが、友と敵を加えることでブレーから物語りは始まり、状況によって一部のシナリオをスキップすることができるようになった。アイゼンガルドはモリアとヘルムズディープの間に入ることになる。
まともにシナリオを6つ辿っていては行程が長すぎてとても辛いのだが、ブレーを出る段階で新たに導入された「敵」カードの登場した分を全て撃破しておけばモリアの坑道に入らずに南へ山を迂回してアイゼンガルドに入ることができる。この場合はロスロリエンに寄ることもなくなるのだが、これは物語の地形を良く知っている人ならナルホドと思うところだろう。
同様にアイゼンガルドではイベントのところを良く見ると、サルマンの軍勢を軍事的に粉砕してしまって、そもそもヘルムズディープの包囲戦の発生を抑止してしまうことができる。また、ヘルムズディープシナリオに入る段階でも「敵」カードを全て撃破してあれば突破してミナスモルグルへと続く階段に辿り着くことができる。
また、シェロブの巣に入る段階で「敵」カードを全て撃破してあれば、モリアの坑道にあった書物か、シャドウファクスを使うことによってシェロブの危険を知って回避したり、駆け抜けてしまうことができるようになっている。
シナリオをスキップすると4枚の「敵」が追跡してくるようになっているので、連続して2つのシナリオはスキップできない。
このシナリオ構成はゲームの戦略性を増していて、状況の変化に応じてどういう道筋を今後取りえるのか睨みながら相談して進んでいくことになろう。
あとブレーのマップは意外に厳しくて、のろのろしているとブラックライダーの襲撃を受けることになってしまう。なので、さっさとガンダルフの手紙を見付けて置き、叶うことなら敵が増えてくる前に旅に出てしまうべきだ。このへんも原作のストーリーの雰囲気が良く出ている。
[つづく]