特に評価が難しい点

亡くなられたKOSさんがNAWを非常に厳しく評していたのと同じ問題が本作にはあると思う。つまり、「シミュレーションとして妥当でない」部分が多いのに、「ゲームとして面白い」ために、「多くの人にプレイされ結果として誤った印象を多くの人に植え付けてしまう」懸念を感じる。
また、FTPが慣れてくると思っていたより短時間でプレイできそうで、また単年度シナリオであれば「アハウスディヴァイデッド」と同じ時間でプレイできてしまうことを考えると、果たして今なお「アハウスディヴァイデッド」をプレイするゲームとして選択する意義があるかどうかは以前よりも難しくなった気がする。
もう一つ言えばGMTが2−3時間で全体が終わる南北戦争カードドリブンをデザイン中であり、これが上手く仕上がれば本当に「アハウスディヴァイデッド」の存在意義は最終的に失われることになるかも知れない。
http://www.gmtgames.com/nnprice/main.html
その一方で本作がなければ、自分は南北戦争ゲーマーにはなっていなかったろうと思う。自分史的には一つの時代を担った転換点となったゲームではある。すっきりと傑作と呼べるゲームが今一つ見つけられないチャドウィック作品の中では間違いなくベストであったことも事実だと思う。
複雑な思いで語らねばならない往年の傑作である。