プロジェクトX的な魅力

本書は「どう優秀にするか」と比べて書物としては圧倒的に魅力的である。言っては失礼だが、「どう優秀にするか」は50ページに及ぶ自慢話と、あとは実践的なノウハウ部分だけで、読み物としての魅力に欠けていた。
それに対して、本書は脳障害児に対する過去の暗黒時代(?)の中での模索、新しい考え方に対する抵抗との戦い、そして苦労の末に見えてきた希望、希望が少しずつ積み重なり周囲に賛同者が現れてきた発展の時代など、非常に魅力的に綴られている。その開発プロジェクトストーリーとしての魅力だけでも読むに値するだろう。
[つづく]