ゲームの終了条件はいずれかのプレイヤーが時代4に突入したときであるが、時代が進展する時には暗黒時代を一回経なければならないというルールがある。最初は何のことか判らなかったが、これは非常に面白い概念で、一旦、新しい進歩が得られて黄金時代が到来すると人口増加が激しくなり、その人口圧力による混乱期が訪れるという概念なのだ。この混乱によって人口が減少し、それによりイノベーショントラックが圧迫され技術の進歩も停滞する。これを打開してこそ初めてもう一段上の時代の黄金期が得られるのである。
ルールブックだけ読むと判りにくいが、プレイしてみるとナルホドと思わせる新概念だ。
そして、勝利条件であるが、これは原人ごとに異なっていて、カウントする要素が違っている。基本的に全員共通に数えるのはイノベーショントラックと人口トラックから実行できるアクション数なのだが、それ以外のボーナスとして数えるものが異なっている。これによりゲーム中に獲得したい公開オークションカードが違っていたりするので、いろいろな綾が生まれている。
プレイ上、むずかしいのは、最後に時代4に突入する時に暗黒時代に入るので人口減少による得点減少が生じることで、それを踏まえても勝ちきっていないと突入するのが敗着ということになる。ただし、暗黒時代には人口トラックの圧力による安定化チェックに失敗すると入るので、本意でなくても入ってしまうこともある。
一方、安定化チェックを成功しやすくするボーナスをもたらすカードもあるのだが、これを得ると安定化して喜ばしいのだが時代を進むためには一旦不安定化して暗黒時代に入らないと進めないようなので、あまり安定してしまうと時代を進むことを自分でコントロールできなくなるという奇妙な悩みも生じる。もっとも安定反映している文明が自己満足して停滞するというのはもっともらしいのでシミュレーションとしては非常に正しい気がする。
この終了タイミングに関わる意思決定が、やはり意思でなくダイスロールに多分に左右されるので、本ゲームはますます競技ゲームとしては不満に感じられる作りになっている気がする。