新春福袋で入手。
結果としてチケットトゥライド、ポートベローマーケットに引き続き、細長いピースをマップに並べるゲームばかりが続いてしまった‥(^_^;
BGGの情報では、ポートベローマーケットも元の構想ではインドの鉄道を題材にしていたと言う。テイストは違うもののコンポーネントハンドリングが似ている訳だ。
メトロでGOは、地下鉄のネットワークを各自が作っていくのだが、各プレイヤーの手番終了時に共通の客が盤上を次の目的地へ向けて地下鉄を乗って移動するようになっている。その時に乗車してもらえばVP獲得となる訳だ。
鉄道ゲームの多くは線路を引くという構想作業と、その構想が良いネットワークを作り出したかどうかを検証するシステムとから成っている。古典的な鉄道ゲームである「レールバロン」や「エンパイアビルダー」、初心者向けの鉄道ゲームである「1号線で行こう」などでは、出来上がった線路の上をプレイヤーのコマがスゴロクのように移動することで、ネットワークの価値を検証するようになっている。しかし、この方法だと検証に時間が掛かるため、プレイ時間が長くなりがちだ。
「1830」はこのシチュエーションを劇的に変えたシステムで、線路網と保有列車の範囲でターン収益を計算するという仕組を提案した。この「メトロでGO」は、その中間的なシステムで、全プレイヤー共通の顧客を用いてカードの目的地に移動させるという方法を取っている。顧客は1ターンで必ず目的地まで到着し時間はだらだらと掛かることはない。しかし、「18xx」ほどにネットワークの総合的価値を逐次評価するところまでは徹底していない訳だ。
このゲームがメトロらしくなる別の工夫として、分岐を自由に設けることができず、また二点間を結ぶことや盤端部にあるターミナルに接続することでVPが得られるようになっている点がある。結果として各路線は東西横断線や南北横断線のような地下鉄らしい路線となり、それが中央エリアで交錯するので乗継をどうするか地下鉄らしい悩みが生じるようになっている。
ゲームシステム的には整然としていて、メトロらしくなる工夫も上手く機能している。デザインとしてはかなり良いセンスのゲームだと思う。ただ、直前にプレイしたポートベローマーケットがシャープで優れたデザインだったので、それと比べてしまうと若干だが冗長感がある。また、チケットトゥライドと比較すると、顧客の移動と言う戦術的な部分の比重が大き目で、戦略性という点ではチケットトゥライドの方が初心者に戦略的視点でゲームをプレイすることを体感してもらえるかなという気もする。