ショートゲームレビュー:プリンセスライアンのスターマリーン

bqsfgame2008-01-31

1997年のAHの平箱作品。
AHが崩壊したのは1998年。最後にバタバタと出版されたビターウッズやフォーザピープルなどはAHらしくもなくテストプレイ不十分で登場し、それでも発売してもらえただけでも良しとするかというのが当時のウォーゲーマーの受け止めだったかと思う。
その直前の1997年は、AHの路線模索が苦しんでいることを誰もが感じ取ってはいたが、まさか老舗中の老舗なので崩壊するとはまだ思っていなかったような気がする。しかし、この年に発売されたゲームでは、たとえば「サクセッサーズ」などは、やはりAHらしくもなくテストプレイ不十分であったし、今にして思えば明らかに前兆はあったのだと思う。
この「スターマリーン」は、なんと「ヴァイスロイス」のマーク・マクローリンのデザイン。AH晩年の新しい血を入れて活力を呼び戻したいと言う試みの一つだったのだろう。残念ながら、「ヴァイスロイス」もそうだが、マクローリンは整然とした必要簡潔なシステムを作るタイプの人ではないようだ。これにデベロップメントが、簡単なゲームのルールブックを難解にすると言う特技を持つドン・グリーンウッドというのだからいけない。ルールブックを読んでも一向に全体像が見えず、一読してもさっぱり理解が進まない。
ところが、覚悟を決めて実際にプレイしてみると、案に相違して意外なほど簡単なゲームだったりするのだ。同じ経験は、「ギャングスター」、「ギャラクシー・ダークエイジ」などでもあるが、グリーンウッド症候群とでも呼びたくなるような独特の症状だ。