×坂の上の雲3を読む

bqsfgame2009-08-04

筆者は司馬遼太郎を読んだことがなかったので、いわゆる司馬史観問題というのも聞いたことすらなかった。
ただ、本巻を読んで日露戦争が始まってくると、非常に気になるようになってきた。
3つの史観問題については、こちらが詳しいので参考まで。
http://www7.plala.or.jp/machikun/essayv.htm
あまり政治的な議論に巻き込まれたくないのだが、ウォーゲームをプレイしての個人的な印象として帝国主義国家と言うのはいずれも程度の差はあれ現代の感覚に照らして言えば悪なのではないかという気がする。その帝国主義国家同士が戦った時に、互いに自らの正義を主張したのは事実であろうが、本当にどちらか一方が明白に悪で、他方は善だったということはなかなかないのではないかという気がする。
日露戦争においてロシアを純然たる悪とし、日本は自衛的に戦争を行っただけなのだ‥と言うのは、確かにそういう主張を当時の日本はしたであろうが、そう言い切ってしまうと架空世界のファンタジーになってしまうような気がする。
その意味では同様に明治日本は善で昭和日本は悪だというのも同じように無理がある気がする。その意味で、司馬史観と言うのは、もし仮にそういうものが存在するのなら、いかがなものかと思う。
そもそも司馬作品はフィクションであるので、架空世界のファンタジーのようなものなのだと考えれば、別段めくじらを立てるような話しでもないし、その範囲において小説として魅力的ならそれで良いのではないかと思うがどうだろうか。
とまぁ、柄にもなく政治的な話しに巻き込まれてしまいそうなので、この続きはどうしたものかなぁ‥と思っているところだ。