先日のTOM5でイベントとして行われていたオークションで、超安価でyagiさんが落札したヒストゲームズの2004年の話題作。
4人でプレイする7年戦争キャンペーンのユーロスタイルのウォーゲームだ。
7年戦争と言えば、SPI/AH/HJのフリードリヒ大王が有名。こちらは、二人で対戦する方式で各年単位の作戦級ゲーム。スタック単位で機動する部隊密度の低いゲームで、スタックの上しか見えないので敵の戦力規模が一定程度しか推測できない中で、会戦を仕掛けるかどうかの意思決定の醍醐味が面白かった。三社から出版されたことからもわかるとおり、非常に評判が良かった。
本作はそれとはまったく異質。
まず4人でプレイするというのが異質。4人は、プロイセン+ハノーバー対オーストリア+新生ローマ、ロシア+スウェーデン、フランスという構図になっている。
このゲームをプレイすると7年戦争が、30年戦争ほどではないにせよ、当時の欧州の諸勢力の様々な思惑が交錯した複雑なマルチだったことが分かる。これはSPI版では感じられない新しいパースペクティブだと思う。
その一方で、この日は8時間ほどで4回プレイすることができ、なんと2時間ほどで醍醐味が味わえるのだから、凄いゲームがあったものだ。7年戦争の複雑な様相を満喫させながらプレイアブルだという点で、本作は7年戦争の決定版と言って良い内容だと思う。
ただし、難点もある。
最大のものはプレイバランスで、プロイセン側はかなり厳しい。さらに、実際のプレイバランス以上に辛いのは、相手は3人で協議して知恵を捻ってプレイするのに、プロイセンは一人で考えてプレイしなければならない。誰も助言してくれない。その結果として、プレイになれていない内はエラーが出やすく、特に相互にチェックする連合軍側と比較してプロイセンにはチェック機能が働かないのでますます辛い。結果として、このゲームをプレイする時にはプレイ経験に勝るオーナーがプロイセンを引き受けるのかなと感じた。