千葉会:フリードリヒを4回対戦プレイする(つづき)

このゲームの大きな特徴は、トランプを使用した戦闘システムだ。
ゲームには4デックのトランプが入っている。
各勢力は、毎ターン規定枚数のカードを補充する。カードは使用しなければ無制限に保存可能だ。
プロイセンは最大の7枚を補充する。対抗するのはオーストリアの5枚になる。スゥェーデンや、神聖ローマは1枚ずつしか補充しない。
戦闘ではボードが細かく仕切ってあり、戦闘の発生した場所により指定されたスートで戦うことになる。まず両者の戦力を比較し、戦力が小さい側が指定スートのカードをプレイして、合計で相手の戦力と同等以上にする。そうすると追い越された側が今度は同じことをする。そして、どちらかが追加カードを放棄するか、プレイできなくなると敗北する。
プロイセンは圧倒的な枚数を持っているので、どのスートが連合軍側で不足しているかを知っている。そして、自分が仕掛けた戦争なので、ある程度は戦場を指定できる。これが1対3で戦うプロイセンの持つメリットで、これにより敵が弱そうなスートに仕掛けて勝利を奪うことができる。
連合軍側は、個別ではプロイセンの持ち札の量にかなわないので、プロイセンの戦闘ぶりを見ながら、プロイセンが使用して薄くなったスートに波状攻撃を仕掛けるような作戦を取ることになる。このためには、まずプロイセンと一定程度戦えるオーストリアがまず当って、続いてロシアやフランスが戦うというような連携プレイが重要になる。ここらへん、マルチプレイ独特の妙味があってSPI版とはまったく異質になっている。
あと、序盤でアンバランスハンドが来ていると、さしものプロイセンでもスートによっては、弱小のスウェーデンなどにも敗北するスートが存在することもある。ここらへんは手札事故みたいなものなのだが、なにせプロイセンは様々な勢力に包囲されており、スートが4種類あると、どこかしらで発生しやすいようだ。プロイセンは兵力が不足気味なので、この事故によって初期敗北を喫すると一気に形勢が傾いてしまう。
もう一つ、戦闘とは別に、6ターン目から、いわゆる普通のイベントカードを1枚ずつプレイしていく。
ところが、これが極めて強力で、連合軍側のナンバー2であるロシアがエリザベート崩御でいきなり脱落すると言ったようなものや、カナダやインドの戦況でフランスが脱落していくと言ったものがある。他方、プロイセンを支援するイギリスの大ピット政権の崩壊でプロイセンのカードが一気に5枚に減ると言ったものもある。
結果として、このイベントカードの出方次第でゲームの形勢が大きく変動する。
戦闘のトランプの事故と併せて、イベントカードの事故もあるので、プレイヤーがいかに努力してもカードの良し悪しに戦況が決定的に左右される確率がかなり高いゲームでもある。
そこらへんが問題点で、幸いにして2時間で終ってしまうので、まぁ形勢不利で延々と苦しまねばならないということがないのが救いかと思われる。
実際問題として平均2時間で4回プレイしたが、その多くはプロイセンが中盤までに投了してしまうために平均時間が短縮されたのである。実のところ、バランス良くプレイが展開すれば4時間くらいは掛かるのではないかと思う。