☆殲滅ノモンハン機動戦:上を読む

bqsfgame2010-03-19

いよいよ覇者の戦塵シリーズも、中公新書部分に突入した。
今回は、ノモンハンである。ソビエト軍との陸戦が主題になる。そして、戦車を利用した機動戦術が具体的なテーマになる。
もちろん、1930年代のノモンハンには、戦車を使った機動戦の概念はまだない。しかし、日本軍戦車と比較して高速、重装甲、重武装ソビエト軍戦車と対戦することで、日本軍は単純な歩兵支援という運用では戦えないということを学習する。この結果は戦車の技術開発に影響を与えると共に、戦車の運用戦術にも影響を与えてくるということになるのだろう。
本巻のクライマックスは、トラクターやパワーショベルを動員した敵前渡河工事による渡河作戦だ。ここらへん、いかにも土木系作家の谷甲州さんらしい。ダンプトラックも立派な兵器だと言うことが、この作戦からは分かる。