SGC例会:グリモワールを対戦プレイ

ゲームマーケット2010の話題作の双璧と言えば、テラフォーマーと、このグリモワールではなかったろうか。
グリモワールとは、「呪文書」のこと。このタイトルを非常に上手く生かしたフリークゲームである。
各プレイヤーには、呪文書が一冊与えられる。呪文書には、様々な呪文が番号順に記載されている。これに挟むシオリが与えられており、毎ターン、各プレイヤーは秘密裡に自分が使う呪文のところにシオリを挟んで伏せておき、同時に公開する。
そして、呪文の番号が若いものから順番にプレイヤーターンを解決する。
呪文自体の効果も強力だが、原則的なプレイは場に展開された札の中から1枚を取得することにある。札には毎ターン使える特殊効果を与えるキャラクターカードや、勝利得点を与えるアイテムカードがある。
基本は良いカードを取得していくゲームだから、早い順番の方が良い。ところが、呪文書は後に行くほど強力な呪文になっているという訳だ。
また、最初のターンは呪文書の半分ほどの8番までの呪文しか使えないが、毎ターン、使用できる呪文が1個ずつ増えていく。このことによって、ゲームのフレームワーク自体が変わっていくのも面白い。
ただし、後半になってから「え、そんな呪文があるの? それじゃあ話しが違うよ」ということも起こってくる。
この日のプレイでは、筆者は傭兵というキャラクターカードを取り、毎ターン、同じ呪文を選んだプレイヤーがいる毎に1点という能力を得た。さらに傭兵の二人目を取り、ともかく人気のありそうな呪文を唱えて着実にVPを獲得してリードしていった。
ところが、後半になると、このVPチップで取得したVPを他人から半分いきなり横取りできるという凶悪呪文が登場してくる。こんなものがあっては、ゲーム前半に営々として築いたVPなど一瞬にして奪われてしまう。
こんなものがあると知っていたら、奪われにくいアイテムなど他のVP源にも分散投資しなければならなかった。そもそも傭兵を一人で二枚取ること自体が愚策だったかも知れない。あるいは、VPチップを使ってなにかするというアクションを選んで、奪われる前に他のものに変換してしまうのだったか。
そんなことがあって呪文書の全容を踏まえた上で全体の作戦をデザインする必要があり、本作も初見者には非常に不親切なゲームだと言う気がした。
ただし、完全情報なるが故に煮詰まってしまうテラフォーマーに比べると、こちらは呪文書のプロットがあるので、重さはそれほどではなかった。
どちらかと言えば、実際に対戦した上で再戦したいのは、こちらの方かも知れない。
次に水曜日の会に行く時には持参して行こうか‥(^o^)