エアフォースとの比較で書くのが判りやすいかと思う。
●プロット方式ではないので敷居が大幅に低い
毎ターン、イニシアチブロールしてダイスの低い順にシーケンシャルに移動していく。追尾していれば相手より後に移動でき、パイロットの練度でダイス修整がある。
秘密プロットではないので、添削指導ができるため大幅に敷居が低い。
●垂直方向のルールが詳細である
エアフォースはそれなりに精密なのだが、ピッチコントロールのルールが存在しなかった。ピッチの状態を定義しないので、ピッチ変更に伴う機動の制限が存在しなかった。また、ピッチ状態に伴う垂直方向の射界制限も存在しなかった。
言い換えればバッファローウィングには、これらが全て存在する。
水平飛行から緩上昇に移るにはピッチ変更の減速が発生する。緩上昇を経由しなければ急上昇に移れない。上昇中は自分より高度の高い相手しか射撃できない。この辺りのルールは、新しい概念なので最初は慣れが必要だと感じた。
●全体のプレイアビリティは高い
本シリーズが最初にCOAで1994年に出たときには、正直に言って「あのCOAが作った」空戦ゲームと言うことで、敷居が高そうに感じて手を出さなかった。
しかし、今回、雑誌付録ゲームと言うことで簡易版のようであるが、本システムを初めてプレイしてみて十分にプレイアビリティが高いことに驚いた。
これなら4人くらいで編隊戦をやってもプレイできるだろう。慣れれば両軍合わせて1ダースくらいの機体が飛んでいても忍耐に耐えるテンポでゲームが進むのではないだろうか。
●肯ける評価の高さ
現時点でATOの評価順リストでは、本作がタールトンの慈悲を押さえてトップである。
空戦ゲームは敷居が高く、空戦好きの人しかプレイに漕ぎ着けて評価を書かないので、その意味では高めに出るとは思う。しかし、それにしても既に40作品を越えたATO付録ゲームの中でトップに立つと言うのは、やはりそれなりの成果だと感じる。