×笑い宇宙の旅芸人を読む

bqsfgame2011-05-24

上中下の三冊を終わりまで読み終えたが、最後まで面白くならなかった。どちらかと言えば、むしろ最初の方がまだしも読みやすかったかも知れない。
本書は3人の登場人物たちが「笑い」とは何かの分析の旅を延々と続けていくという内容なのだが、本書自体は一向に笑えないと言う残念な展開になっている。途中からは作者も作品の破綻を自覚していて作品中に顔を出しては自己韜晦を繰り返す。これがまた、さらに笑えない上に読んでいて不愉快にさえ感じられる。
本連載を最後まで続けさせたSFアドベンチャーも凄いと思うが、そのSFアドベンチャー誌上で選考される日本SF大賞を本作が受賞しているのには絶句せざるを得ない。
筆者はSFマガジンで活躍していた頃のかんべ作品のファンなので、このようなことを書かねばならないのはたいへん残念だ。
ダメージが深いので、当分、かんべむさしを読むことはないだろうか。