×ノパルガースを読む

bqsfgame2013-04-20

ヴァンスの1966年の作品。彼のエースダブルだそうで文庫本200ページしかない。
ヴァンスが訳されるのは素晴らしいことなので×とか政治的に付けたくないのだが、でも×にした。
いかにもエースダブルと言ったB級SFで、地球は既に精神寄生体ノパルに征服されてしまっていると言う設定。それをエイリアンから指摘され、一週間以内になんとかしろと言われた一科学者が主人公。聞くだに話しに無理がありすぎるが、昔のNHKドラマでも高校生が一人で未来からの侵略に立ち向かったりしたのだから往年のSFって案外こんなものだったのだろう。
200ページしかないので余分な伏線なし、ストーリーに駆け引きはなし。それでも、それなりに驚く顛末が用意されていて、リーダビリティも高いのでそんなに悪い訳でもない。でも、ヴァンスらしさは全然なく、アテガイぶちの表紙をお題に光子帆船25号と言う傑作をモノにしたヴァンスとしては凡作と言わざるを得ないだろう。