水曜日の会:サイバーノートを対戦プレイする

対戦するのは発売直後にCADETでプレイして以来なので17年ぶりだろうか。
セットアップ負荷があるので持主の筆者がNSA側を担当。TSさんがサイバーノート側で対戦した。90分ほどで第7ターンまで進んだところで、サイバーノート側が3つのコントロールファイルの破壊に成功、事実上NSAを行動不能にしVPでもリードしたので投了した。
ゲームについては雑誌記事でも紹介したので簡単に言えば、近未来のサイバー社会において体制側のNSAに対してサイバーノートがネット内に侵入してファイルを破壊したり奪取したりするゲーム。雑誌の付録ゲームで、マップは見開き2ページ、ユニットは自作が必要。システム的には非常に斬新で、似ているゲームと言うと軍人将棋くらいだろうか。サイバーパンクの世界観をスマートにゲーム化していると言う点ではガーフィールドネットランナーと双璧と言って良い作品である。デザイナーはS&Tのミランダだが、発表誌はマイナー雑誌のCOMPETITIVE EDGE(旧名GAME FIX)。
発表誌が悪く知名度が非常に低いが、ミランダのゲームの中でも屈指のデザインだと思う。もっともっと知られて良いと思う。のだが、日本ばかりか本国でもプレイされていないようなので、止むを得ないか。とまれ、日本にプレイ経験者が一人増えて良かった。これで、二人が三人になったのだとすれば、50%増ではないか‥(^_^;
今回のプレイが余りに久しぶりだったので、いろいろなノウハウが失われていたので少し書いておく。
本ゲームではサイバーチットをサイバーネット内で移動させ同じアドレスに入ると戦闘になる。その時に互いの全部のチットを開けて、一斉に攻撃を実施する。チットには、アクティブ、パッシブ、ステルスの3種類がある。攻撃力には、アクティブチットを全て殺すアクティブキラー、同様にパッシブキラー、そして全てのチットを殺すエリミネーターがある。アクティブキラーを相手のアクティブチットのスタックに送り込めば、1個で全てのアクティブチットを全滅させられる。
一般的にパッシブチットは、VPになるNSA側の情報ファイルが主で、パッシブキラーはサイバーノート側のパスワードチットが代表的である。NSA側の情報ファイルがVPになるので、これがゲームの勝敗の争点になる組み合わせだ。
アクティブチットは、より攻撃的なタイプのプログラムが多く、NSA側ではエリミネーターのサイバーサムライ、アクティブキラーのVRミサイル、サイバーノート側ではエリミネーターのワーム、アクティブキラーのウィルスがある。攻撃は同じマスでは同時解決なので、VRミサイルとウィルスが遭遇すると相討ちになる。
重要なリソースマネージメントとして、NSA側は保有する全てのサイバーチットを最初からセットアップして展開している。逆に言えば、相討ちで消費していくと数が減っていく。逆にサイバーノート側は何も持っていない状態から、リアルワールドを探索して入手していく。入手したチットを使ってハッキングを実施するが、相討ちになってしまうとまた手に入るまで次のハッキングはできなくなってしまう。結果として、サイバーノート側のチットの収支バランスがプラスになってサイバーノート側が強化され始め、NSA側がリソース不足になり始めると急速にゲームはサイバーノート側に傾く。この収支分岐点まで辿り着けるかどうか、また時間切れにならないかどうかが本ゲームの争点だと言える。
今回、NSA側のプレイで反省すべきは、パッシブ系で移動能力がないので敵に侵入してきてもらわないと機能を発揮しないフラットライナーとネクサストラップを適切に配置せず、結果として最後まで迂回されてしまったことがある。結果、使い勝手の良いVRミサイルを撃ち尽くしたところで適切な反撃手段がなくなってしまい、敗北の主要因となってしまった。
実はオリジナルルールではハッキングの終了時にNSA側は全てのチットを再配置して良いことになっているのだが、これは非常にプレイ負荷も重く、時間も掛かってしまうので今回は採用しなかった。しかし、このルールだとパッシブチットは非常に効果が低くなってしまうので、どうもバランスが悪いことがわかった。次回は、ネクサスゲート以外はすべて再配置可能にしようかと思うのだが、これはこれで煩雑だし間違ってゲートを動かしてしまうようなリヴォークも出やすいのでどうかと言う気がする。それには、マップとユニットのサイズを大きくしてハンドリングを良くしてやることが必要な気がする。また、ネクサスゲートがサイバーノートに侵入されると対応するゲートを全て開けるルールがあるのだが、これが意外に面倒。以前の自分のメモがプレイ後に出てきたのだが、ユニットを作り直すならネクサスゲートはサイバーチットより大きいサイズにして判るようにしてしまった方が良いかもと書いてあった。そうするとゲートの所在は少なくとも判ってしまいサイバーノート側に有利になるので、多少、チットの数を修正してNSAに梃入れしないといけないかも知れない。
とまれ要約も作ったし、2時間で終わることもわかったので、またプレイしたいと思う。ちょくちょく稼働するのなら、マップとユニットの作り直しの労力を掛けるに値するだろうかと思ったりするが、マップの拡大コピーは簡単だがユニットの自作は面倒だなと思ったりしている。マップのマスが十分に大きければ、いっそ積み木ユニットにして積み木ゲームにするのがプレイアビリティも良く、それならネクサスを違うサイズにしたりする必要もないしバランス調整も不要で良いかも。適当な積み木が適当な値段で手に入らないものだろうか?