○宇宙船メビウス号の冒険を読む

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川又千秋の昭和60年の新潮文庫書下ろし。

そうですか、書下ろしだったのですか。道理で死角に入ってしまったわけです。

タイトルから推測される通り、著名な「宇宙船ビーグル号の冒険」のオマージュ作品です。ただし、人類滅亡後に、最後の人間の遺言に従って「生命がなぜ誕生したか?」を探求するためにロボットたちが宇宙船を作って旅立つ話しです。

冒険する諸惑星の描写や、そこで遭遇する異星生命の魅力と言う点では、もう少し頑張りましょう‥という感じでしょうか。リーダビリティが高く、長さも200ページ少ししかないので、すぐ読み終わってしまいます。なんとなく、SFブームで頼まれたやっつけ仕事だったのかなと思わぬでもない書きぶりです。川又作品の神髄には遠い感じでしょうか。

一応、○にしましたが、再読することはないと思います。