×都市と都市を読む

bqsfgame2013-09-11

うーん。SFが読みたい2013の海外編第1位。ミエヴィルは、アンランダンもペルディードも面白かったので、割と安全牌と思っていました。
ところが、奇抜な設定、警察小説。うーん、これはダメでした。
まず、二つの都市が一つの空間をシェアしていると言う奇抜な設定が、具体的にイマジネートできません。できなくても差支えない場合もSFではままあるのですが、本書では駄目です。物語の中心となる殺人事件は、一方の都市で殺害され他方の都市に運ばれて遺棄された遺体から出発します。二つの都市を横断することが、殺人事件のトリックでも、主人公たちの行動でも非常に重要です。ところが、それが具体的にどういうことなのか、どうも一向に想像できません。
あと「ユダヤ警官同盟」でも感じたのですが、筆者は警察小説が苦手なようです。思えばレムの「捜査」もダメだったなぁと思い出したりします。
そんな訳で、本年度1位と言われましたが、個人的には何処が面白いのか最後までわかりませんでした。あとがきを大森氏が書いているのを見て、そうか大森氏が好きなタイプの作品なのでは無理もないと変な風に納得しましたが。
これからは帯やあとがきを大森氏が絶賛している作品は避けて通ることにしようと思うのでした。でも、書店で現物買いするなら良いのですが、アマゾン発注だと確認できないのが難点です。