○時間封鎖を読む

bqsfgame2015-11-18

2006年ヒューゴー。2009年星雲賞
洋の東西で評価の高い三部作冒頭の巨編です。
近年では珍しくなったSFらしいSFなので、SFファンの支持を受けたのは頷けます。
ただ、設定の魅力に比べて、訳者があとがきで押す人物描写は大いに失望させられました。ラブストーリーが軸の一つにあるのですが、なんか中学生の恋愛みたいです。そこらへんも含めて、人物に大人らしさが欠けている印象が強く、さっぱり共感できませんでした。これを緻密な人物描写とあとがきで持ちあげるのは無理筋でしょう。
とは言え、リーダビリティも高いので、それなりの好位置に付けてくるのは妥当なのかも知れません。しかし、個人的には続編をすぐに入手しなくてはと、今の時点で思えていないのが冷静な評価です。