シマックの第2長編。
久保書店のSFノヴェルズの末期作品。
割と期待していたのがいけなかったか、少なからずガッカリした。
シマックではあるのだが、タイトルからも想像される通りPKDみたいな作品。タイムトラベルと、アンドロイドのアイデンティティの問題が絡んでいて、さらにプロットがいささか破綻気味な所まで良く似ている。
主人公は異星探検から帰還した優秀な宇宙探検家。しかし、帰還と共にいきなり命を狙われる。この唐突な冒頭からして、既にディックのよう。そして、実は彼はアンドロイドたちがいつか人権(?)を獲得できると言う希望の宗教教祖であり、それが故に彼の書くはずの伝道書を書かせまいとする勢力や、人類にだけ都合の良い内容に修正しようとする修正主義者に狙われるようになる。
と、そんなお話しなのだが、あまり整理されていない上に、途中に「ファルブラウ」のルールブックを読むための中断が入ってしまい、最後まで乗り切れないまま終わってしまった。もう一度、再読してみるかと言われると、そこまでして救済したいと言う感じでもないので、本件、これにてお蔵入りと思っている。