ちはら会:シーローズを対戦プレイする2

さて、時間の掛かるセットアップを済ませて、いよいよ作戦開始です。
その前に補給ルールと、勝利得点システムを説明しておきます。
ヴェトナムですから、特に米軍にとって補給は困難を極めます。前述しましたが、ヘリコプターは彼の地で有用でしたが、燃料と言い弾薬と言い大飯喰らいです。
ユニットは原則としてターンエンドに補給判定します。この補給ルールが非常に厳しく、原則として補給基地にいるか、補給能力のあるユニットとスタックしていなければなりません。良くある何ヘクスの補給線を引くなどということはできません。ただし、補給切れになっても、作戦ポイントで補給コストを支払えばユニットは存続できます。それも払わないとリフィットボックス送りになります。
前述しましたが作戦ポイントは、1ターンに10ポイントずつしか補充されません。そもそも作戦行動に使うものですし、増援や補充も作戦ポイントでお買い物します。ですので、補給にも使うと言うのは持ちこたえられません。
したがって、現実問題としては3択です。1:最初から基地を出ない(笑)、2:作戦した後で基地に帰る、3:補給ユニットを連れて行く。
1ではゲームになりませんから、2か3になります。ただ、2を考えると、作戦した段階でヴェトコンに退路を占拠されることも有り得ます。そうならないように川を完全に掃討して昇っていけばよいのですが、生憎とメコンデルタは網の目のように水路があり単純に一次元を攻めのぼることはできません。そうすると、基地に戻るのに、また攻撃したりして作戦ポイントが必要になります。そこでコストが発生するなら、現地で補給切れ判定を受けて作戦ポイントで補給するのも選択肢にはなり得ます。いずれにせよ、限られた作戦ポイントをどういう風に配分して、自軍の作戦、増援、補充、補給を設計するか考えさせられます。
勝利得点は、原則として敵の拠点へクスの占拠と、敵ユニットの除去によって得られます。米軍はヴェトコン基地マスの占拠、ヴェトコンは南ヴェトナム内の都市、町の占拠が中心です。それ以外に、ヴェトコン側は、指定された最深部の基地に補給ジャンク船か、トロール漁船を送り込んで消費するとVPになります。要するに南ヴェトナム内部でのゲリラ戦継続のための物資供給が大目的の一つなのです。
この辺りの説明でMitsuさんと話したのですが、要するにヴェトコンとしては、戦争を続けること自体が目的です。別に、軍事行動として派手に勝たなくてもゲリラ戦を続けていれば、後はアメリカ世論、さらにはアメリカ議会が戦争継続に難色を示すようになり、最後には史実の通りアメリカは撤退していくのです。もちろん初期戦のシナリオ1で、その結果は見られませんが、ともかく戦争継続がVPになるという形でヴェトコンの政治目的は表現されています。
今回、ヴェトコンを担当したのですが、上述の原理に従えば補給ジャンク船やトロール漁船はどんどん現地に運び込んでVP化してしまえば良いことになります。
ところが、そう簡単には行きません。トロール漁船は海上ユニットで、河川を遡航できません。つまり、沿岸基地にしか送り込めません。ところが、沿岸基地はヴェトコンには2つしかありません。さらに、米軍のブルーウォーター海軍は極めて強力です。この攻撃を受けて沿岸基地を保持することは、現実的には不可能に近いのです。当然ながら、米軍は最初に沿岸基地を奪取しに来ます。
もう一つ、補給ジャンク船は、先に述べた補給ユニットに当り、基地以外の前線へクスで補給を確保するために必要です。ですので、いくらVPになると言っても、どんどん消費してしまう訳には行きません。
そんな事情もあって、ヴェトコンが楽をしている訳でもありません。
ここらへんの事情も踏まえて両軍の作戦指針が決まってきます。
で、肝心の作戦開始に辿り着く前に紙幅が尽きてしまいました。
つづく