千葉会:1813を対戦プレイする

延期、日程合わずを繰り返して半年以上も伸びてしまいましたが、ようやく対戦しました。

いつものことですが、対戦してみると、それぞれソロプレイしていた時には見落としていたルールや運用に気付くこと多々ありました。

 

先にざっくり総括してしまいます。

補給を主眼としたゲームシステムです。この補給ルールの運用が非常に負荷が高く、なかなか作戦立案と遂行を楽しむレベルに辿り着けそうにない印象を受けました。

いくつかの要素が絡んで作戦立案を難しくしています。

1:移動するには補給段列の消費が必要

2:各ターンに支給される補給の数が必要十分とは言いにくい

3:補給段列をユニットに支給するには、ユニットが一般補給下にあることが必要

4:一般補給線を通すには補給基地のチェーンが必要

5:補給基地の設置には配置した補給段列を前ターンまでに補給基地に転換することが必要

と言った具合です。

さらに、

6:敵性地域で一般補給外にあると徴発が必要

7:味方地域であっても、友軍2スタックと隣接していると徴発が必要。ただし、味方補給基地のある都市であれば免除される。

 

1から5までが基本的な補給ルールなのですが、気を付けるべきこととして支給される補給数は盤上の基地を含んだ数だということです。つまり、一般補給のためのネットワーク構築に配置した基地は毎ターンの補給使用数に数えられるのです。ですので、敵の基地破壊を恐れて補給ネットワークに冗長度を持たせると、ユニットに配置する補給段列がほとんどなくなってしまいます。

また、同盟軍は飛び地であるハンブルグに部隊がいますが、これに補給段列を与えようとすると、ハンブルグへクスを一般補給下に置く必要があります。そのための補給基地ネットワークの延伸を長期展望で進めて行かなければなりません。

今回、同盟軍をプレイさせていただいたのですが、同盟軍は攻勢側なので外線になり、この補給マネージメントが非常に大変でした。

フランス軍は内線側なので補給基地ネットワークのマネージメントは若干容易そうでしたが、ナポレオン本隊が同じ場所から大量に増援してくるので7の問題が深刻そうでした。

同盟軍のロシアも同じ問題を抱えているのですが、ロシア軍騎兵(コサック)は強行軍で摩滅してしまった方が良いくらいなので、強行軍を実施して密度を解消してしまいました。

 

戦闘ルールも見慣れないシステムです。原則として1戦力/ユニットなのですが、諸兵連合効果が強く、2兵科なら+2、3兵科なら+4です。これに指揮官の能力を加算するので指揮官も重要です。

たとえば、4ユニットで3兵科、指揮官能力が2なら合計10戦力です。3ユニットで歩兵のみ指揮官なしなら3戦力です。この両者が戦うと、それぞれ1drして最終戦力を出します。で、大きい方の勝利です。1-6の目が出ても7差は絶対に覆らないので、上記の例では3兵科連合軍は必勝ということになります。

ただし、その前に攻撃側は指揮官能力+付与した戦闘命令+drで7以上を出す必要があります。上記の例では指揮官能力が2で、付与できる戦闘命令は能力までなので2、これはまずまずなのですが、それでもdrで3以上を出さないと攻撃失敗となり、何も起きないことになります。

 

全体として、かなり苦労して部隊を前進させ接敵して攻撃を命じても、なかなかに戦果が挙がってこないゲームと言う印象です。それでもロシア国境にナポレオンが置いて行った都市守備隊を一方的にタコ殴りにすると大勝利が得られ、そうすると同盟軍は+1VP、フランス軍は-1VPの出入り2VPになるので、VP上の勝利を得ることはできそうな気がします。

 

本ゲームでは13年戦役のターニングポイントとなったプレースヴィッツ停戦が自動的には発生しません。第7ターンから両者がdrして大きい目を出した方が停戦を提案する権利を得ます。しなくても構いません。提案されると、された側はライン連邦内に所定数の都市を確保していないと拒否できません。

ですので、ライン連邦内の都市争奪戦が前半の焦点の一つとなります。

実はそれまではオーストリアが中立で両者とも進入不可なので本ゲーム前半はマップの北半分しか戦闘正面がありません。なので、同盟軍は戦力優位をベースに平押しすることが難しくなっています。ナポレオンやダヴーの強力スタックが睥睨している戦線では、同盟軍は突出すると撃破されるリスクがあるのです。

と言うことで、オーストリア参戦を企図してライン連邦を圧迫したいのですが、なかなか上手く攻めきれない印象を受けました。フランスとしては、そこが頑張りどころで、停戦が起きずオーストリアが参戦してこなければ結果としてライン連邦以西を守り抜いてVP的に勝利することは可能なようにも思えます。

とは言え、前述したように東方の守備隊が各個撃破されるのは防ぎようがなく、それによる戦闘命令数のハンディ、戦闘VPの圧力を受けるので言うほど見通しが立っている訳でもありません。

 

というような総合分析を書いていたら、実は当日に思っていたよりもずっと良いゲームなのではないかと言う気もしてきました(苦笑)

いずれにせよ、補給が本当に厳しい12年戦役用のシステムで13年も作ってしまいました‥と言うのが少し筋が悪いのかなと言う気はします。ヨーロッパの穀倉地帯でこんなに飢えるのかなぁと言うくらい補給マネージメントが辛いです。そこが大きな違和感でしょうか。ロシアでなら、こんなものかと思うのですが。

 

最後にプレイ時に撮影した写真をご紹介して振り返ります。

セットアップです。

同盟側から戦場を見ています。左側のオーカーの線がオーストリア領で進入禁止。右に見えるのはバルト海です。戦闘正面が狭い!

オーデル河沿いの三都市にフランスの守備隊が配置されています。

緒戦、まずTorunの守備隊を殴ってみます。

でも、指揮能力1の指揮官だと攻撃チェックに失敗して何も起きません。

今度はブリュッヒャーによる攻撃です。

青ダイスは投入した攻撃命令数です。ブリュッヒャーの指揮値は3。攻撃命令も3まで投入できます。これを合計してdrを加えれば必ず7以上になるので攻撃実施です。

判りにくいですが3兵科連合軍なので最強クラスの攻撃力。でも、これでも勝利はできますが、戦闘後前進すらできませんでした。うーむ、戦果がなかなか出ない戦闘システムです。

オーデル河を渡って、ポメラニアが見えてきました。ポメラニアには都市がないので、左下の補給基地から補給を通して移動段列を与えます。夏場は補給線が5ヘクスなので、これで補給が通りました。

オーデル河を渡ったので、次はエルベ河です。

中央に見えるタンのユニットは、ザクセン軍で中立不可侵です。ここが通行不能なのでただでさえ狭い戦闘正面がさらに狭くなっています。

ドレスデンが見えていますが、河川越し、要塞都市なので、攻撃の成果はほとんど期待できません。ここらへんで事態が停滞してしまい、プレイヤーの疲労が蓄積してきたこともあり終了としました。

史実では、このドレスデンで大会戦となります。

ライン連邦の都市を3個確保してオーストリア参戦に漕ぎつけるのは、かなり大変な感じを受けました。