久々の打碁集読了です(アルファ碁を別とすれば)。
関西棋院の村川、当時七段。2年少し前の棋書ですが、その後、王座奪取、名人戦リーグ定着など順調に活躍しています。井山6冠王が圧倒的な時代にあっては、少しインパクトが弱いのですが、相手が悪すぎなのでしょう。
方円書庫では、「手放しに評価はしにくいのだが、これだけ打碁集不足だとどうしてもこう評価にならざるを得ない。」とコメントされていました。日本人棋士の打碁集が出たことだけで評価せざるを得ないというのは。悲しいことです。
読んだ感想としては方円書庫さんに同意します。打碁集としての醍醐味に、棋士の人生を浮き彫りにするという要素があると思うのですが、若手棋士の場合にはそれは成立しません。
ただ、タイトル奪取直前の期待の若手を企画に挙げたことの意義を高く評価するべきです。また、村川の棋譜のセレクションで、世界戦で互角に戦って見せている部分を巻頭に持ってきたのも良いと思います。
棋風的には、筆者の苦手なタイプですが、それでも最後まで興味を持って読むことができました。
こういう企画が、平成四天王とかでもちゃんと成立して欲しいです。日本棋院の黄色の文庫本で終りにはなって欲しくないものなのですが。セールス的に難しいのでしょうかね?