何者を見る

WOWOWです。
話題の青春群像劇で、キャストが旬の若手俳優ばかりなので見たいと思っていました。
しかし、非常に後味の悪いお話しで、これは見なくても良かったなと反省。
青春と言うと、爽やかなイメージがありますが、これは正反対。就活とSNS文化を軸に、現代の若者が抱えるダークサイドを様々な人物に乗せて描き出す群像劇です。
視点人物の佐藤健ツイッター裏アカウントでの毒を吐く様が、非常に気持ち悪い。とは言え、これは架空の話しではなく、程度問題は別としてネット文化にアクティブとして参加している人なら思い当ることのあるエピソードです。
ハリキリ型優等生でありながら、一向に内定が取れず、自身の自信とのギャップでそのことを他人に話せなくなっていく二階堂ふみの役も、周りに思い当る人がいることでしょう。そのインスタント彼氏役が、社会の暗黙の了解に否定的な見解を鋭く浴びせつつも、実は不安で自分も長いものに巻かれていると言う岡田将生。彼がダークサイドの役を演じるのは、多少の意外性があります。既に社会人で大人の常識を持っているようで、実はやっぱり大人になれていない役が山田孝之。一番常識人でおっとりして見えるけれども、意外に都合の良い恋愛をしているのが有村架純。いっそ、バンドに打ち込んで留年して、就活に出遅れて他人に頼り切ってしまう菅田将輝の方が、すがすがしく見えてくるのが恐ろしいです。
逆に見ていて青春のダークサイドに気付かされて怖くなってくるのですから、ある意味では良く出来た映画なのだと思います。でも、もう一回、見ることはないでしょう。