プチウォーゲームショップ訳です。
分量が少ないのですが、概念には特殊なものが少なくありません。
バーグや、ミランダに通じる、中世戦略級システムです。
1ターンが5年なので、移動力管理はしません。代わりに移動経路の消耗負荷を合計して、移動終了時に消耗チェックをします。
ちょっと変わっているのは、結果が%ではなく、ユニット数で与えられることです。ですので、1ユニットのスタックで1ユニット損害の移動経路を10ユニット(実際には実現できません:後述)で移動しても1ユニットしか損害が出ません。つまり、部隊規模が大きくなると、損耗率が下がってくるのです。これは違和感ありまくりです。
また、ムスリム側は常に内戦のリスクを抱えています。
移動・戦闘終了後に、攻撃を実施しなかったユニットは全て反乱チェックをします。これでかなりの数のユニットが反乱面になります。実は、これだけでは本当には反乱しません。
続いてカリフの死亡チェックを行い、その結果と、盤上にある反乱ユニットの比率を交差参照して内戦が勃発するかどうかを判定します。
つまり、征服戦を続けないと不満が高まり、それがカリフの代替わりの揉め事をキッカケに本格的な内戦に発展するという仕組みです。
ちょっと凝っているのですが、ルールを読む範囲ではリーズナブルに見えて、興味深く読めました。
ルールを読んだ段階で評点するなら、BGG尺度で7点はある感じでした。
(つづく)