9カードPnPコンテスト作品、その3です。
「アンダーフォーリングスカイ」と同じデザイナーの2017年の作品。
「初雪」というタイトルですが、タイトルも良いですがアートワークが非常に上品で落ち着いていて素晴らしい。
2人対戦用ゲームです。
タイルコンストラクションと、ワーカープレイスメント、リソースマネージメントの要素を複合した小品です。
たった9枚のカードの中で、これだけ色々詰め込めるのかという感じですが、アイデアが整理されていて好感が持てます。
イヌイットの住む氷原をカードを置いて構成します。その時に、同時にキャンプマーカーを置いていきます。そのキャンプで得られる食料と資源を使って毎ターンを暮らしていきます。
食生活の充実度と、暖の確保によってVPが得られます。
シロクマが徘徊していて、それによってキャンプを追われると、そこでの活動はキャンセルになります。
全部で6枚しか地形カードがない中に、それぞれのシロクマが一頭ずついるのは多すぎる気がします。結果として、食料はなんとかなるとして、冬が迫って寒くなってくると暖を確保しきれません。
実はカリブーを狩ってコートを作ることもできます。
ところが、カリブーを狩るには槍を作る必要があり、それには石(穂先)と木(柄)が必要。もちろんカリブーがいなくてはなりません。で、夏の間は木はあるのですが、カリブーが歩き回っていません。寒くなるとカリブーは増えるのですが木が手に入らなくなります。木は急な暖を取るための薪にも使うのです。そうすると、槍を作るのに前のターンから石か木を仕込んで置き2ターンがかり。それでいて、一度使うと、すぐに傷んでしまう(修理は可能)ので、なかなか大変。同様に毛皮も1ターンごとに傷んでいくので、これは本当に自転車操業です。
題材やプレイ感覚としては、「ネアンデルタール」を思い出します。バランスが非常に厳しい所も似ています。
もうちょっと優しいバランスでも良いのになと思います。見掛けによらずシビアなのが、ミスマッチな感じです。
でも、アイデアもアートワークも一級品です。
これを見てしまうと、「アンダーフォーリングスカイ」をいろいろサルベージしてまで遊ばなくても、面白いものは普通にプレイして最初から面白いよなと思い始めました。