航空宇宙軍史ですが、外惑星動乱ではなく太陽系外探査ものです。
ただ、年代記として時代順に並べると、外惑星動乱より前の話し(そのくらいの時期に出航させないと、後の都合が良くない[笑])なので最初に。
36年ぶりに読みましたが、リーダビリティは高くありません。
ハードサイエンス部分の描写が手厚くて、人間ドラマの部分が薄いからでしょう。
ハードサイエンス部分は、かなりの部分、当時、SFマガジンに連載されていた石原藤夫の「光世紀世界」に依存しています。
当時は石原先生の連載も読んでいたので、そこの部分で読みにくさは感じなかったのですが、ハードサイエンスから離れて久しぶりに読むと、かなりゴツゴツした感じで読みにくかったです。
主人公のジョー・シマザキは、航空宇宙軍の任官期間を終了して地球に帰る所。ところが、上官から除隊ではなく一時上陸だと言われます。彼の母親が航空宇宙軍設備を損壊した刑期を胎児だった息子が果たすことに同意しているからだと言われます。
かくて、長期間にわたる航空宇宙軍任期をさらに勤めることに。
こうした長期間任期の人間を利用して、航空宇宙軍は太陽系外探査をやっているのです。
で、かつて系外探査に打ち上げられたオデッセイウスの軌道を追って旅立ちます。すると、太陽系外に出てほどなく情報流束が銀河中心方向に向けて流れているのを発見します。
なんと、光速でも何年も掛かる距離を隔てられた銀河を構成する恒星群が全体形状を保って公転するための一種の銀河系の神経束のようなものだと言うのです。
艦は本来は物理的相互作用を持たないはずの情報流束に捕捉されて難破(?)します。そして、主人公が目覚めると艦は遭難し彼一人だけが生き残り、なんとオデッセイウス計画で旅立った件の実母に助けられます。
と言うようなお話しです。
航空宇宙軍と言う組織。その系外探査計画について、紹介されています。
本作はシリーズ内時間の最初になりますが、続きはシリーズ内時間の最後(遠未来部分を除く)である「終りなき索敵」へと繋がることになります。
まぁ、「外惑星動乱記」のプレイ準備に読む必要はなかったですかね‥(^_^;