☆巡洋艦サラマンダー前半を読む

なぜ前半で切れているかと言えば、史実順に読むと中間部分に「砲戦距離12000」が入るからです。

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巡洋艦サラマンダー」

表題作ですが、この短編集では表題作的な意味はありません。

外惑星同盟が唯一作り上げた正規巡洋艦サラマンダーは、開戦劈頭に投入されましたが、仮装巡洋艦群の退避行動を支援するため囮として敵の制圧宙域に残ります。

その結果、タンカーとの邂逅にも失敗し(土砂降り戦隊)、燃料に極まって中立であるジュノー入港を決行するかどうかの決断を迫られます。しかし、一旦、入港してしまえば出港するのは非常に困難になるので、当座の燃料が手に入るとしても問題は何も解決しません。

「サラマンダー追跡」

今度はサラマンダーを追う航空宇宙軍側の第3戦隊です。

サラマンダーの逃走路を封じることに成功しますが、サラマンダーの決断はなんと!

一種の自沈なのですが、宇宙空間ならではの決断です。太陽系外に永遠に飛び去ってしまうのです。

どれほど苦労して建造したかを知っているだけに、なんとも悲しい末路と言わざるを得ません。