実は以前に鎌倉殿が大河になった「草燃える」の原作の一つです。
永井先生を読むのは、「流星」以来です。
ポスト頼朝の混乱の時代を4本の主人公の異なる中編で描きます。
最初は阿野全定。
頼朝の弟でありながら黒子のように目立たないで生き残り続ける彼が最後には討たれてしまうまでです。
二つ目は梶原景時。
平家方から寝返りながら頼朝の信頼厚く鎌倉で権勢を振るいます。讒言により有力御家人を消していった彼は、最後には讒言により消されます。
三つめは全定の妻、北条保子。政子と異なりふわふわした色白少女の彼女はおしゃべり好きですが、そのおしゃべりには悪意があるのかないのか、それでも景時を筆頭に彼女のおしゃべりが原因で命を落とすものは少なくありません。
最後が書き下ろしの義時です。
武家政権のトップに立つにはあまりに武勇に欠ける印象の彼が、それでもトップに上り詰めていくまでを描きます。