「検証 日本海軍航空隊」というメイン特集に誘われて買いました。
でも、一番、興味深く読めたのは、「中世海軍史 その2」でした。
まさに、地中海帝国やジェノヴァ=ヴェネツィア戦争の辺りの話しです。
「中世の戦闘艦隊の運用上の性質は、空母出現前の航空機運用とよく似ていた。
漕走船の無補給での戦闘航海期間を4日間とすれば、その行動半径は150kmに過ぎない。
言い換えれば作戦目標の150km以内に友軍基地が存在しなければならない。
艦隊は陸軍の作戦行動に強力な支援を提供できたが、それを可能にするためには陸軍が進撃して飛び石状のサプライチェーンを設定することを必要とした」
目から鱗です。
ヴェネツィアからアドリア海を縦断してイオニア海からティレニア海へ入るなどと言うことは到底できなかったのです。
「最大の問題は、この使い勝手の悪い海軍が、国家にしてみれば非常に高価な買い物だった事実にある。艦船の建造は比較的容易であった。それよりも遥かに高く付いたのは人件費である。海軍予算の75-80%が専門技術者である将兵の給与であった」
おー、フリートって本当に高かったのですね。
地中海帝国の設定でも安すぎるのかも知れません。
それ以外では「トイトブルクの戦い」が古代戦ゲーマーとしては嬉しく読めました。
ゲルマニアでの3個軍団の喪失。ケルスキ族のアルミニウスの活躍。
時節柄、「鎌倉殿の古戦場を歩く:石橋山」も興味深く読めました。