鋭意、前進中です。
寛政の改革に驀進する定信。しかし、周囲は付いてきません。幕府のお役目に推挙されても断るものが続出しています。賄賂を禁止したので、役に付いても旨味がなく、むしろ出費が嵩むばかりだからです。あろうことか、腹心の本多忠籌が賄賂を受け取ったという密告まで入ります。
本多は定信に春町の鸚鵡返文武二道を読ませますが、これも逆効果で定信はますます肩肘に力の入った政治姿勢となっていきます。
そんな折、蝦夷地でクナシリメナシの乱がおきます。定信は、これは松前藩の政が悪いためと考え、この機会に蝦夷地を直轄領にしようと言い出します。しかし、一橋様は、「それでは、そなたは田沼意次と同じと笑われよう」と冷やかします。田沼と同じと言われるのが一番我慢ならない定信は、上知を断念します。松前に、ことの次第を報告する一橋様の思惑通りです。
定信の八つ当たりを受けたのが恋川春町で、「鸚鵡返文武二道の作者を呼び出せ」と指示します。指示された小島藩主「松平信義(林家正蔵)」は、恋川を呼んで次第を話した上で、自分の小藩に恋川のような文才を持つ者が出て誇りだと伝え、逐電するように勧め、その準備のための時間を稼ぐのに自分が頭を下げてのらりくらりとかわせばよいのならいくらでも頭を下げると言います。理想の上司ですね。
しかし、生真面目な春町は、そこまでしてくれる殿に迷惑は掛けられぬと逆に思い詰めてしまいます。
そんな中、同じように藩に迷惑は掛けられぬと絶筆することにした喜三二。蔦屋にて盛大な送別会を開いてもらいます。
送別会が盛り上がってきた所で、北尾重政がサインを求めてきます。続いてりつ(安達祐実)も。そして、是非これにと、知徳一炊夢をもってきたのが、松の井あらためおちよです。年季明けして手習いの師匠になっており、もう花魁ではないので喜三二が抱き着こうとすると、ふじといねが二人で喜三二の腕を取って遠ざけます。
春町は、最後に蔦屋の前に顔を出しおていに見つかってしまいます。すわ送別会に病を押して来たのかと思われましたが中には入らずそっと立ち去り、帰り道で豆腐屋に寄って豆腐を買って帰ります。

その上で自宅にて切腹し、絶命する瞬間に買ってきた豆腐の桶に頭を突っ込みます。
話しを聞いた蔦重たちは、恋川春町は世話になった殿や、同業者に迷惑を掛けぬように腹を切るしかないと思い立ったが、それでも最後まで戯作者としての心得を忘れることなく、「豆腐の角に頭を打って死んだ」という体を整えたのだろうと語り合います。
自分が呼び出した春町が自死したと聞いて、本当は黄表紙好きの定信が布団部屋で泣くシーンで終劇です。定信がどういう意図で彼を呼び出したのかは、作者は明確にしてくれませんでした。本当に腹を斬る必要などあったのでしょうか? それは一人一人の視聴者の考えに委ねられました。