12月のNHK杯囲碁トーナメント

 7日から3回戦に入りました。

 井山碁聖と六浦君です。

 解説には石田本因坊が登場。石田先生も決勝戦の定席解説者ではなくなりましたかね。

 序盤は井山優勢でしたが、左辺で目論見違いがあって形勢逆転。その後、ずっと形勢が揺れ動く判断の難しい碁が続きました。一時は白の井山碁聖が勝ちにしたかに見えたのですが、左下で6子を千切り取られて再逆転。半目勝負ながら黒よしかと思われました。

 しかし、六浦君のヨセの一手で一気に黒の勝率が10%も下がって再々逆転。この時に、石田解説者が「今の手でなんでこんなに下がるのか良く判らないんですけど」と言い出して、あのコンピューター石田がヨセでそんなことを言ってしまうのかと大いにガッカリさせられました。

 石田先生も77才ですから、さすがに精密さを欠くようになったのでしょうか。本当に残念に思いましたが、仕方がないですかね。

 最後まで作って井山碁聖の半目勝ち。石田先生のまとめは、「勝ったんじゃなくて、勝っちゃったですかね」とのこと。どうも最後の手どまりの加減で最終手で再々々逆転したのではないかと思われますが、石田先生でさえ上記のようなことを言う状態なので、小生には良く判りませんでした。

 さて、石田先生が出て来てしまったので、今期決勝戦の解説はどうなるのでしょうか? ここ3年間を振り返ると、前期は山下九段、その前は羽根九段でした。3年前は、早めに負けた井山本因坊(当時)でした。

 井山先生と山下先生はまだ勝ち残っているので、このまま行くと羽根直樹九段か、張栩九段でしょうか。個人的には河野臨九段でもいいかなと思っています。

 八段解説者五人衆から抜擢でも良いかなと思いますが、決勝の解説者にタイトル無冠の人は来ないかなとも思っています。意表を突いた所では、関・元天元って言うのはどうでしょうか? タイトル経験者ではあるけれど経験値不足ですかね。

 天元経験者としては、片岡先生が小生のお薦めですが、今期まだ出て来ていない柳・元天元と言うのもアリでしょうかね。多分、もう決まっていると思うのですが‥。

 14日は、表三段と、福岡七段の東西の十代対決。

 二人はナショナルチームの合宿で同部屋だったそうで、その時に練習碁を打って福岡が勝ったのだそうです。また、宿泊所の卓球台でも対決して、これも福岡の勝ち。リベンジを期す表三段は中盤までなかなか頑張ってAI判断で優勢な時間帯もあったのですが、石が切断されて危うくなってからは非常に苦しくなり、それでも勝負手を放って紛れを求めましたが、最後は潰れてしまいました。

 解説は安斎八段で、特に問題はないのですが、歯切れという点で五人衆と比べてイマイチかなと思いました。

 21日は、一力、本木戦で、解説は孫八段でした。

 この碁は右下の競り合いが右上へ、さらに左下へ、そして左上へと波及して最初から最後まで厳しい競り合いとなりました。売り出し中の時期ほどには力戦ではなくなったという本木九段ですが、本局では一歩も引かずに戦い続けて、終始AI評価は白の本木良しで進行していき、最終的には二目半残してコミがかりで勝利しました。

 かなり難しい碁でしたが、孫八段は終始適切に解説してくれて良かったです。もともと八段解説者五人衆の次くらいの位置だと思っていましたので、彼の昇段で六人衆になったかなという印象です。

 28日は、芝野十段と鈴木八段でした。冒頭、芝野が鈴木八段をもっとも苦手と言ったので驚きました。聞けば対戦成績は五勝五敗なのだそうです。

 解説はレドモンド九段で、殺し屋芝野に対して鈴木はかわすのが上手とコメントしていました。

 しかし、実際の対局では芝野の仕掛けに対して鈴木が退くことなく応戦して激しくなり、むしろ鈴木の方が殺し屋かと思わせるような場面も。最後は芝野を投了に追い込んで勝ちました。

 レドモンド九段は、もともと日本碁界と孤立した所で成長したためか、独特の判りやすさを持っていると改めて思いました。

 年末に、一力、芝野と令和三銃士の二人が相次いで負けて今期は先が見えなくなりました。残っている棋士では、井山碁聖が一歩抜けているかと見えますが。